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後遺障害慰謝料が相場を超えた事例のポイント

最終更新日 2024年 07月12日

後遺障害慰謝料が相場を超えた事例のポイント

後遺障害慰謝料には等級に応じた目安額があるものの、一定の事由を汲んで増額される場合があります。

個別事例で相場より多い慰謝料を受け取れるか否かは、最終的な解決手段となる裁判の実例を見ると、主張・立証のポイントを含めて判断できます。

本記事では、後遺障害慰謝料を支払わせるための条件と相場をおさらいした上で、等級別に近年の増額判例を紹介します。

後遺障害慰謝料の基礎知識

人身事故のせいで治療後も症状が残る場合、被害者の精神的苦痛について「後遺障害慰謝料」を請求できます。

請求できる慰謝料の額には、症状の程度に合わせて一定の目安が設けられています。

請求開始にあたって必ず覚えておきたいのは、金額の判断にあたって第三者機関による評価が必要な点です。

後遺障害等級認定の必要性

後遺障害について慰謝料を請求するのなら、加害者との交渉に先立ち、第三者機関である自賠責保険調査事務所の認定を得なければなりません。

左記の「後遺障害等級認定」は、被害者が提出した診断書等の資料に基づき、重い順に第1級から第14級までの14段階で評価されます。

後遺障害慰謝料の金額相場

後遺障害に対する慰謝料は、もちろん症状の重さに合わせて高額化します。

表で紹介するのは、これまでの交通事故の民事裁判例に基づく等級別の慰謝料の相場です。

第1級 2800万円
第2級 2300万円
第3級 1990万円
第4級 1670万円
第5級 1400万円
第6級 1180万円
第7級 1000万円
第8級 830万円
第9級 690万円
第10級 550万円
第11級 420万円
第12級 290万円
第13級 180万円
第14級 110万円

参考:『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』令和3年版上巻より
※重度障害の場合、近親者慰謝料を別途請求できます。

目安だと紹介したように、上記表の水準は必ず守られるべきではありません。

被害者ごとに後遺障害の影響を判断し、同等級の他のケースと比べて深刻であれば、相当の金額を上乗せできます。

請求の際、加害者が増額を拒んでも、民事訴訟で裁判所が認めれば支払いに応じざるを得ません。

過去には実際に増額を認めた判例が多数あり、今後起こる交通事故を当てはめることで、相場より多い後遺障害慰謝料を受け取れるか予測できます。

慰謝料についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

後遺障害慰謝料の増額判例【第1級・第2級の場合】

第1級・第2級といった重度障害は、事故前の生活がほぼ不可能になった事情を個別に吟味し、本人分の後遺障害慰謝料を相場より増額する場合が多く見られます。

加害者の過失や事故対応も、裁判所が注視するポイントです。

被害者の事情が総合的に考慮された判例【相場+1200万円】

高次脳機能障害等を負った上に1眼摘出せざるを得なくなった(併合1級)、21歳の独身女性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては、2800万円のところ、本人分3200万円+父母各400万円で、計4000万円の後遺障害慰謝料が認められました。

裁判所が重く受け止めたのは、①若くして重大な障害を負ったこと、②外貌にも著しい醜状が残ったこと、そして③両親による介護の精神的負担も極めて重いこと等です。

被害者側の状況を客観的事実の組み合わせで訴えることで、目に見えない痛みがより正確に評価されました。

(東京地裁平成15年8月28日判決 交通事故民事裁判例集36巻4号1091頁)

事故前の職業や社会的役割が考慮された判例【相場+600万円】

遷延性意識障害(別表第1の1級1号)を負った、不動産賃貸業を営む70歳男性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては、2800万円のところ、本人分3000万円+妻400万円で計3400万円の後遺障害慰謝料が認められ、被害者にかかる過失相殺(2割)も行われていません。

相場より高い後遺障害慰謝料が認められた理由のひとつは、事故前の活動状況です。

被害者の男性は、調停委員・民生委員・町内会長として、金銭的利益を度外視して尽力していた人物でした。

他に、労働できなくなったことで失われた収入にあたる「逸失利益」が認められない点も考慮されています。

(仙台地裁平成24年7月31日判決 自保ジャーナル1884号49頁)

加害者に複数の重大な過失があった事例【相場+1800万円】

頚髄損傷に伴う四肢麻痺・呼吸麻痺・膀胱直腸傷害等(別表第1の1級1号)を負った、8歳の男児の例です。

本事例では、慰謝料相場としては2800万円のところ、被害者本人につき3600万円+父母各400万円で、計4400万円の後遺障害慰謝料が認められました。

制限速度の大幅超過・徐行しない等の「複数の重大な過失」が加害者側にあり、慰謝料の金額に反映された事案です。

(東京地裁平成26年8月25日判決 自保ジャーナル1947号1頁)

後遺障害1級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

加害者に不自然不合理な弁解があった判例【相場+680万円】

高次脳機能障害等(別表第1の2級1号)を負った、70歳の女性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては、2370万円のところ、本人分2500万円+子1名250万円+子2名各150万円で、計3050万円の後遺障害慰謝料が認められました。

裁判所が考慮したのは、いったん衝突を認めつつも、その後になって不自然かつ不合理な弁解を繰り返して否認した「加害者の態度」です。

事故そのものの過失につき重大との評価を一概に下せなくても、相手方の対応に問題があれば、被害者側の精神的苦痛はより大きいものと考えられるのです。

(東京高裁平成28年11月17日判決 自保ジャーナル1990号1頁)

後遺障害2級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

後遺障害慰謝料の増額判例【3級以下の場合】

後遺障害等級3級以下の事例でも、障害の重さにこだわらず、被害者の職業や生活設計への影響が大きければ増額できるものと考えます。

加害者の過失や事故対応に着目する点も、より重い障害を負った事例と同じです。

注目したいのは、障害の部位や数、事故で負った主観的な苦痛の度合い、治療による精神的負担の度合い等、被害者に寄り添った上での増額判例もある点です。

被害者の生活等への重大な影響が考慮された例

後遺障害慰謝料の増額例に多いのは、本人の生活や将来設計、そして家族の生活ぶりに深刻な影響をもたらしたと認められるものです。

以下で紹介する判例は全体のごく一部ですが、増額主張のポイントを知る手がかりとなるでしょう。

【相場+200万円】稼動不能になった自営業男性の例

高次脳機能障害(5級2号)を負った、プログラマー自営の32歳男性の例です。

障害により稼働できなくなった点から、慰謝料相場としては1400万円のところ、相場より高い1600万円の後遺障害慰謝料が認められました。

(名古屋地裁平成27年7月28日判決 交通事故民事裁判例集48巻4号912頁)

後遺障害5級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

【相場+320万円】私生活の予定を断念せざるを得なくなった例

高次脳機能障害(7級4号)、左鎖骨の変形障害(12級5号)、左耳難聴(12級相当)で併合6級に認定された55歳男性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては1180万円のところ、本人分1500万円+妻100万円で、計1400万円に及ぶ後遺障害慰謝料が認められました。

考慮されたのは、単身赴任のため長らく別居していた家族との同居生活、趣味、退職時の希望等、思い描いていた生活がほとんど全て叶えられなくなった事情です。

(仙台地裁平成20年3月26日判決 自保ジャーナル1734号6頁)

後遺障害7級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

【相場+80万円】将来の夢を断念せざるを得なくなった例

嗅覚脱失(12級相当)、歯牙破折(13級5号)等の障害を負い、併合11級に認定された29歳男性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては、420万円のところ、後遺障害分の慰謝料として
500万円と判断されています。

事故前の男性は、和食飲食店の開店を将来の夢としていました。

この点につき、裁判所は、後遺障害の内容から夢を断念せざるを得なくなり、調理人として生きていくことができなくなった状況を考慮しています。

(東京地裁平成25年11月13日判決 交通事故民事裁判例集46巻6号437頁)

後遺障害11級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

【近親者分として+100万円】家族の介護が困難になった例

頑固な左上腕部痛等(12級)に認定された、重度の肢体不自由者である子を持つ主婦の例です。

事故被害者による訓練介護ができなくなったことで、子の身体機能には後退が認められていました。

本事例では、子について独自の慰謝料請求が不可能である点を考慮し、後遺障害慰謝料として100万円分の上乗せが認められています。

後遺障害12級についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

上記以外にも、外貌醜状・醜状痕等の「容姿に影響する障害」を負った点につき、精神的苦痛が著しいものとして後遺障害慰謝料の増額を認める場合が複数あります。

多くは女性の例ですが、職業や将来設計に直接影響しなくても、素足になる等「肌を見せることに抵抗を覚えるようになった」といった日常生活上の支障だけで増額を認めるものもあります。

障害が多方面に渡る点が考慮された判例

交通事故が原因の後遺障害は、複数の方面に渡って負うことで、同等級に認定された他の被害者よりも苦痛が増す場合があります。

民事訴訟では左記のような事情も汲み、認定基準よりも高い等級だと判断する、あるいは金額面で同等級よりも高く評価する……といったロジックで相場より高い後遺障害慰謝料が認められる場合があります。

【相場+210万円】頭部・骨盤・下肢等に障害を負った事例

高次脳機能障害(5級2号)を始めとする障害を全身に負った、32歳主婦の例です。

その内容は、複視(14級相当)や右視野欠損(13級2号)等の眼に負うもの、外貌醜状(7級12号)、咀嚼障害(10級2号)、骨盤骨変形(12級5号)、そして左下肢の瘢痕(14級5号)と多岐に渡ります。

本事例は併合3級の認定を受け、慰謝料相場としては、1990万円のところ、裁判所は後遺障害慰謝料として2200万円と判断しています。

(東京地裁平成18年3月29日判決 交通事故民事裁判例集39巻6号1654頁)

【相場+130万円】通常の併合基準より高い等級+慰謝料が認められた例

神経系統の機能又は精神障害(7級)、胸腹部臓器の傷害(7級5号)、脊柱運動障害(8級2号)、その他にも視力障害・聴力障害・外貌醜状等を負った、土木作業員の59歳男性の例です。

裁判所は、外貌醜状を除くいずれの障害も労働能力に深刻な影響を与えるものとし、通常の基準よりも高い併合4級に相当すると認めました。

その上で、慰謝料相場としては、1670万円のところ、後遺障害分の慰謝料を1800万円と判断しています。

(福井地裁平成25年12月27日判決 交通事故民事裁判例集46巻2号472頁)

事故や治療の状況が考慮された判例

事故当時からの経過を客観的に示すことで、被害者の苦痛が後遺障害慰謝料の増額に繋がった判例もあります。

【相場+300万円】事故当時の精神的苦痛が重く受け止められた例

右手指5本の機能障害(併せて6級相当)、右上肢の醜状痕(12級相当)等の後遺障害により、併合5級に認定された38歳男性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては、後遺障害慰謝料につき1400万円のところ、
1700万円と判断されました。

裁判所が指摘したのは、事故当時の状況です。衝突したバスが被害者を左後輪に挟んだ状態で再発進したことで、更にひかれるのではないかとの恐怖心を感じたことが容易に想定されると判断しました。

(大阪地裁平成23年2月21日判決 自保ジャーナル1849号79頁)

【慰謝料+将来治療関係費の増額】更なる治療を要する可能性が考慮された例

右股関節機能障害(12級7号)、右下肢短縮(13級8号)で併合11級に認定された、39歳男性の例です。

本事例では、将来治療関係費等が認められた上で、慰謝料相場としては、420万円のところ、後遺障害分の慰謝料は450万円が妥当と判断されました。

考慮されたのは、先々の被害者の生活において、人工股関節置換手術と一定期間の入通院を要する可能性です。

(名古屋地裁平成30年3月30日判決 自保ジャーナル2024号81頁)

加害者の重過失や不誠実な態度が考慮された判例

後遺障害等級に関わらず、加害者の過失や不誠実な態度は「被害者の精神的苦痛に繋がった」と判断されます。

紹介するのは、左記のような理由で相場より高い慰謝料が認められた例の1つです。

【相場+200万円】加害者の主張・陳述が精神的苦痛に繋がったとされた事例

左下肢を足関節以上で失い、後遺障害等級5級5号と認定された20歳男性の例です。

本事例では、慰謝料相場としては1400万円のところ、後遺障害分の慰謝料として
1600万円と判断されました。

裁判所は、加害者の主張・陳述が争点を不明確化し、被害者に対して著しい精神的苦痛を与えたと指摘しています。

(金沢地裁平成22年11月24日判決 自保ジャーナル1849号79頁)

後遺障害慰謝料の増額を成功させるには

裁判所が認めた事例にぴったり当てはまるとしても、後遺障害慰謝料の増額は容易ではありません。

主張したいポイントは丁寧に資料化し、ケース毎に示談・訴訟の方針を緻密に立てる必要があります。

事故前後の被害者の状況を整理する

判例にある通り、被害者側の「後遺障害の影響が他より大きい」と判断できる事情は、慰謝料の増額事由として十分認められ得るものです。

解決の第一歩として、まずは下記の要素を整理しておくと良いでしょう。

・被害者の職業、家庭や社会での役割
・後遺障害による本人の生活の変化(退職、進学や就職の断念、等)
・後遺障害による家族の生活の変化(精神疾患による通院、家事サポート、等)

近親者慰謝料の請求可否と金額を検討する

後遺障害慰謝料の請求は、被害者本人分のみならず、父母や子等の近親者の分も請求できる場合があります。

基本的には後遺障害等級1級および2級に該当するケースに限られますが、3級以下でも認められる判例もあります。

これまで認められた下記のような事情がある場合、請求額に家族分を加算することで、慰謝料の総額を引き上げられる可能性があります。

近い事情がある場合、金額を含めて近親者分の請求を検討しましょう。

・死亡に比肩するような精神的苦痛を受けた
・後遺障害の影響で、凶暴性・衝動性を伴うようになった
・被害者をケアするため、時短勤務・転職・退職等の予定変更が生じた
・後遺障害を負った事実が引き金になり、精神疾患で通院するようになった

近親者慰謝料についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

事故状況や発生原因を検証する

過失相殺による減額を極力防ぐため、事故に関する検証も徹底しましょう。

加害者の態度・対応に納得できない部分があれば、後遺障害慰謝料の増額請求の根拠になり得るか検討したいところです。

・救護義務違反等はなかったか
・酒気帯び運転の隠蔽工作等、責任逃れとみられる態度はなかったか
・不誠実、不自然、不合理だと感じる言動・態度はなかったか

損害賠償請求の準備・対応は弁護士に委ねる

後遺障害慰謝料の増額において、単に個別の事情・エピソードの裏付け資料を提出しても効果はありません。

何故増額を求めるのか、現状を写真・動画に収める等しつつ、情報整理した上で立体的に説明する必要があります。

また、刑事記録の取り寄せ、刑事裁判への参加(被害者参加制度)を通じた説明手段の確保には、的確かつスピーディな対応が欠かせません。

以上のいずれの対応も、後遺障害を負った事例に多数接してきた弁護士だからこそ出来るものです。

解決をより確実にするため、弁護士に損害賠償請求の準備・対応を任せましょう。

弁護士に依頼するメリットについてもっと詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

おわりに│後遺障害慰謝料は個別事情に応じて増額可能

後遺障害慰謝料には等級別の目安があるものの、画一的な判断は行われません。

「精神的苦痛の度合いが著しい」と言える事情が判例で認められているものと近ければ、相場より高額な慰謝料を受け取れる可能性があります。

▼後遺障害慰謝料の増額事由
・被害者固有の事情(年齢、職業、家族構成、将来設計の状況等)
・障害の数や分布の範囲(多方面に渡る=精神的苦痛が強い)
・加害者の重過失、事故対応における不誠実な態度
・近親者の生活の変化、介護負担

判例で認められたものと合致する増額事由があっても、ただちに解決金の額に反映できるわけではありません。

示談や訴訟では、地道な調査と客観合理性のある主張の組み立てが必要です。

「後遺障害によって大きく生活状況が変わってしまった」「加害者の態度や言動に違和感を覚える」と感じた時は、専門性の高い弁護士に相談しましょう。

増額可否から示談・訴訟の終結まで、被害者目線かつ万全の対応をとってもらえます。

監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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