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交通事故の逸失利益に関する一覧表

最終更新日 2024年 02月17日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の逸失利益に関する一覧表

本記事では、交通事故の被害者の方、ご遺族が受け取ることができる逸失利益について、職業別の一覧表も合わせて解説していきます。

逸失利益とは、交通事故の被害にあわなければ、将来的に得られるはずだった利益=収入のことで、被害者の方の年齢や職業などによって金額が変ってきます

後遺症が残ってしまった場合の「後遺障害逸失利益」と、被害者の方が亡くなった場合の「死亡逸失利益」があり、計算式が異なります。

さまざまある損害賠償項目の中でも、逸失利益は金額が大きくなるものの1つです。
そのため、加害者側の任意保険会社は適正金額よりも低く見積もった金額を提示してくることが多いです。

被害者の方やご遺族は、加害者側の保険会社の提示金額を鵜呑みにして、示談を成立させてしまうと損をすることになってしまうので、本記事で正しい知識を身につけていただきたいと思います。

目次

被害者やご遺族が受け取ることができる損害賠償項目は?

被害者やご遺族が受け取ることができる損害賠償項目は?
交通事故の被害者の方やご遺族が受け取ることができる損害賠償項目には、治療費や休業損害、慰謝料、将来介護費などさまざまなものがあります。

逸失利益は、こうした損害項目の中の1つということになります。

逸失利益が加害者側との争点になる理由

逸失利益が加害者側との争点になる理由
加害者が任意保険に加入している場合、慰謝料や逸失利益などの損害賠償金は、その保険会社が提示してきます。

ここで問題になるのは、加害者側の保険会社の提示金額は、本来であれば被害者の方やご遺族が受け取るべき金額よりかなり低いことが多いという点です。
つまり、加害者側の保険会社は慰謝料や逸失利益を低く見積もって提示してくるわけです。

なぜかというと、保険会社が株式会社の場合、利益の追求のために運営されているわけで、売上を上げて、支出となる損害賠償金(状況に応じて、示談金とも保険金ともいいます)を抑える必要があるからです。

被害者の方やご遺族は、保険会社が提示してくる金額を信じて、すぐに示談を成立させてはいけません
示談交渉に進んで、正しい金額を主張し、認めさせる必要があるのです。

後遺障害逸失利益の計算と注意ポイント

後遺障害逸失利益の計算と注意ポイント

後遺障害逸失利益と計算式

交通事故の被害者の方に後遺症が残ってしまい、以前のように働くことができなくなった場合、得られるはずだった利益(収入)として、加害者側に後遺障害逸失利益を請求することができます。

被害者の方の後遺障害等級が認定されると、加害者側の任意保険会社から慰謝料などの損害賠償金が提示されます。
その中に、「後遺障害逸失利益」があるので金額を確認することが大切です。

後遺障害逸失利益は、次の計算式で求めます。

後遺障害逸失利益の計算式

基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
= 後遺障害逸失利益

 
実際の損害賠償実務における逸失利益の算定については、労働能力の低下の程度や収入の変化、将来の昇進、転職、失業などの可能性、日常生活でどのような不便があるのかなど、さまざまな要因を考慮して計算していきます。

計算式の各項目解説と注意ポイント

①基礎収入

・原則、被害者の方が事故前に得ていた収入額を基礎収入とする。
ただし、将来的に現実収入額以上の収入を得られると立証できれば、その金額が基礎収入と認められる場合もある。

・現実の収入額が「賃金センサス」の平均賃金を下回っていても、将来的に平均賃金程度の収入を得られる蓋然性があれば、賃金センサスの平均賃金を基礎収入として算定する。

※賃金センサス…厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」のこと。この結果から労働者の性別、年齢、学歴等に分けて平均収入が公表される。

※「給与所得者」「主婦」「個人事業者」「失業者」「学生」「幼児」「高齢者」といった被害者の方の年齢や職業、立場や状況の違いによっては、賃金センサスによる平均収入値が使われる場合がある。

※蓋然性…ある事柄が起こる確実性、真実として認められる確実性の度合いのこと。

【参考資料】:令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚生労働省)

 
・若年労働者(概ね、事故時の年齢が30歳)の場合には、学生との均衡の点もあるため全年齢平均の賃金センサスを用いるのが原則となる。

<職業別の基礎収入一覧表>

職業 基礎収入
給与所得者 原則として事故前の収入
事業所得者 申告所得を参考にする
会社役員 労務提供の対価部分
家事従事者 賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額
学生・生徒・幼児 賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別全年齢平均の賃金額
高齢者 就労の蓋然性があれば、賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、男女別、年齢別平均の賃金額
失業者 労働能力、労働意欲があり、就労の蓋然性がある場合、再就職によって得られるであろう収入

 

わかりやすい動画解説はこちら

 

②労働能力喪失率

・後遺障害等級ごとに決められたパーセンテージがあるため、これを基本として用いるが、実際の算定では被害者の方の職業や年齢、性別、後遺症の部位と程度、事故前後の労働状況などから総合的に判断していく。

<労働能力喪失率一覧表>

等級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 35%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%


出展】:「労働能力喪失率表」(厚生労働省)
【参考資料】:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)

こちらは「後遺障害等級表と等級認定手続で被害者がやってはいけない7つのこと」でも詳しく解説しています。

わかりやすい動画解説はこちら

③労働能力喪失期間

・被害者の方が、あと何年間働くことができたのかを仮定するもの。
原則、67歳までとされるが、未成年者や高齢者の場合は修正が加えられる場合がある。

・労働能力喪失期間の始まりは症状固定の日となるが、未就労者の場合は原則、18歳とされる。
ただし、大学卒業を前提とする場合は卒業時とされる。

・症状固定時の年齢が67歳以上の場合は原則、「簡易生命表」の平均余命の2分の1を労働能力喪失期間とする。
ただし、症状固定時から67歳までの年数が簡易生命表の平均余命の2分の1より短くなる場合は原則、平均余命の2分の1とする。

・原則、労働能力喪失期間の終わりは67歳とされるが、被害者の方の職種・地位・能力・健康状態などによっては違う判断がされる場合もある。

・たとえば、交通事故でもっとも多い傷害(ケガ)の1つである、むち打ち症の場合は後遺障害等級12級で10年程度、14級で5年程度とされる場合が多い。
そのため、被害者の方の実際の具体的な症状で判断していくことが重要となる。

【参考資料】:令和3年簡易生命表(男)
令和3年簡易生命表(女)

④ライプニッツ係数

・ライプニッツ係数は、現在のお金の価値と将来の価値との差額を調整するための用いるもの。

・逸失利益は、将来受け取るはずだったお金を前倒しで現在に受け取ることになるので、被害者の方がそれを運用した場合や、銀行の口座に入れておいても利息がつくため、保険会社はその利息分(金利分)を差し引いて(中間利息を控除して)支払う。

・ライプニッツ係数の算出は複雑で難しいため、前もって算出してある「ライプニッツ係数表」を用いる。

・中間利息控除をいつから始めるかについて、その基準時は通常は症状固定時とすることが多い。
しかし、裁判例では事故時としたものもあるので注意が必要。

死亡逸失利益の計算式と知っておくべきポイント

死亡逸失利益の計算式と知っておくべきポイント

死亡逸失利益の計算式

交通事故で被害者の方が亡くならなければ、将来的に得られるはずだった利益(収入)を死亡逸失利益といいます。

死亡逸失利益は、次の計算式で求めます。

死亡逸失利益の計算式

基礎収入 × 就労可能年数に対するライプニッツ係数 × (1-生活費控除率)
= 死亡逸失利益

 
死亡逸失利益が後遺障害の場合と異なるのは、亡くなった時点で所得が0(ゼロ)になるので、労働能力喪失率は100%になることです。
生きていれば生活費がかかるので、その分を差し引くことになり、これを生活費控除といいます。

計算式の各項目と注意ポイント

①基礎収入

・被害者の方が事故前年に得ていた収入額を基礎収入額とする(年金なども含む)。

②就労可能年数

・原則として、18歳から67歳まで。
ただし、被害者の方の職種、地位、能力などによっては67歳を過ぎても就労することが可能だったと判断され、その分の年数が認められる場合もある。

【参考資料】:令和3年簡易生命表(男)
令和3年簡易生命表(女)

③ライプニッツ係数

・ライプニッツ係数については、後遺障害逸失利益の場合と同様に考える。

・民法改正により、2020年4月1日以降に起きた交通事故の場合は、ライプニッツ係数の法定利率は3%になっている(以降は、3年ごとに見直される)。

【参考資料】:「就労可能年数とライプニッツ係数表」(国土交通省)

④生活費控除率

・被害者の方の家庭での立場や状況によって、次のように概ねの相場の割合が決まっている。

<生活費控除率の目安一覧表>

被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合 40%
被害者が一家の支柱で被扶養者2人以上の場合 30%
被害者が女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合 30%
被害者が男性(独身、幼児等含む)の場合 50%

職業別の逸失利益一覧表

次に、職業別に逸失利益を見ていきます。

会社員(給与所得者)

①後遺障害逸失利益

現実の収入が賃金センサスの平均賃金以下の場合でも、被害者の方に平均賃金程度の収入が得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎収入とすることもあります。

30歳未満の若年労働者の場合は、原則として、全年齢平均の賃金センサスを用います。

被害者の方が将来、昇給することが確実であるといった事情がある場合は、昇給を考慮した金額を基礎収入とすることもあります。

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 51歳(症状固定時)/男性・会社員
基礎収入 520万円年収
労働能力喪失率 56%(後遺障害等級7級と仮定)
ライプニッツ係数 12.561
就労可能年数 16年

 

「計算式」
520万円 × 0.56 × 12.561 = 3,657万7,732円

②死亡逸失利益

死亡逸失利益では、生活費の控除を行なうことに注意が必要です。

<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 42歳/女性・会社員
基礎収入 430万円年収
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 17.413
就労可能年数 25年
生活費控除率 30%

 

「計算式」
430万円 × 17.413 × (1-0.3) = 5,241万3,130円

 

個人事業者・フリーランス

個人事業者・フリーランス

①後遺障害逸失利益

自営業者や自由業者、農林水産業などの基礎収入は確定申告所得額を参考にします。

ただし、節税対策などのために収入を過少申告しているようなケースでは、証明のハードルはかなり高くなります。

なぜなら、裁判所としても納税義務をきちんと果たしていないのに損害金だけは実際の収入額に応じてもらえる、ということは安易には認めるわけにはいかないからです。

申告額と実収入額が異なる場合は、立証があれば実収入額を基礎としますが、その場合は修正申告をしたほうがいいでしょう。

所得が資本利得や家族の労働などのトータルなものの場合は、所得に対する本人の寄与部分の割合によって算定します。

現実収入が平均賃金以下の場合は、平均賃金が得られる蓋然性があれば、男女別の賃金センサスを用います。

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 61歳(症状固定時)/男性・自営業
基礎収入 400万円年収
労働能力喪失率 35%(後遺障害等級9級と仮定)
ライプニッツ係数 9.954
就労可能年数 12年

 

「計算式」
400万円 × 0.35 × 9.954 = 1,393万5,600円

②死亡逸失利益

<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 38歳/男性・自営業
基礎収入 1,200万円年収
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 19.188
就労可能年数 29年
生活費控除率 30%(一家の支柱で被扶養者が2人以上)

 

「計算式」
1,200万円 × 19.188 × (1-0.3) = 1億6,117万9,200円

 

会社役員(取締役)

①後遺障害逸失利益

原則として、事故前の収入額を基礎収入としますが、会社代表者や役員の場合は「利益配当的な部分(役員報酬)」と、「労務の対価としての給与部分」とに分けて考え、労務提供の対価の部分についてのみを基礎収入とします

しかし実際には、労務提供の対価部分と利益配当部分を明確に分類するのが困難な場合もあるため、具体的な事案ごとに判断することになります。

労務対価部分の判断要素
  • 会社の規模や業種
  • 被害者の地位
  • 職務内容
  • 役員報酬の金額※
  • 他の役員の職務内容と報酬額※
  • 従業員の職務内容と賃金の額※

※賃金または報酬額の直近の推移も、逸失利益の判断基準に含まれる。
 
<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 48歳(症状固定時)/男性・会社経営者
基礎収入 5,000万円年収
労働能力喪失率 35%(後遺障害等級9級と仮定)
ライプニッツ係数 14.324
就労可能年数 19年

 

「計算式」
5,200万円 × 0.14 × 14.324 = 1億0,427万8,720円

②死亡逸失利益

<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 64歳/男性・会社役員
基礎収入 2,700万円年収
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 9.253
就労可能年数 11年
就労可能年数 30%(一家の支柱で被扶養者が2人以上)

 

「計算式」
2,700万円 × 9.253 × (1-0.3) = 1億7,488万1,700円

 

主婦(家事従事者)


賃金センサス第1巻第1表の産業計、企業規模計、学歴計、女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎収入額とします。

職業がある主婦(兼業主婦)の場合、実収入が上記の平均賃金以上の時は実収入、平均賃金以下の時は平均賃金によって算定しますが、その場合は通常、家事労働分の加算は認められません。

専業主婦の場合でも家事労働を行っているため、逸失利益が認められます
家事労働を行なうのが妻ではなく夫(主夫)であるという場合でも、逸失利益は認められます。

ただし、逸失利益として認められる家事労働は、他人のために行なう家事労働であることが必要なため、一人暮らしで自分だけのために家事を行なっているような場合は、原則として逸失利益は認められません。

高齢の家事従事者の基礎収入については、次のように分類されています。

  • ⅰ)女性労働者の全年齢平均賃金としたもの
  • ⅱ)女性労働者の全年齢平均賃金から何割か減額した額としたもの
  • ⅲ)年齢別の女性労働者の平均賃金としたもの
  • ⅳ)年齢別の女性労働者の平均賃金から何割か減額した額としたもの

 
実際の交通事故の損害賠償実務では、被害者の方が行なっていた家事の内容や程度を個別の事案ごとに具体的に評価して決定していきます。

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 33歳(症状固定時)/女性・兼業主婦
基礎収入 360万円年収
労働能力喪失率 67%(後遺障害等級6級と仮定)
ライプニッツ係数 21.132
就労可能年数 34年

 

「計算式」
360万円 × 0.67 × 21.132 = 5,097万0,384円

②死亡逸失利益

年齢・職業 72歳/女性・専業主婦
基礎収入 385万9,400万円
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 7.020
就労可能年数 8年
生活費控除率 30%

※基礎収入は、「令和4年の賃金センサス女性学歴計全年齢平均賃金」を採用。
 

「計算式」
385万9,400万円 × 7.020 × (1-0.3) = 1,896万5,091円

 

失業者(無職者)

「労働能力」「労働意欲」があり、「就労の蓋然性」がある場合は、原則として失業以前の収入を参考として基礎収入が決められます。

ただし、失業以前の収入が賃金センサスの平均賃金以下であっても、平均賃金を得られる蓋然性があれば、男女別の平均賃金を基礎収入額とします。

就労の蓋然性については、被害者の方の年齢やそれまでの職歴、事故当時に就職活動をしていたかなどの事情等を考慮して判断されます。
就労の蓋然性があると判断された場合、再就職によって得られるであろう収入を基礎とします。

就職が内定していた場合は、その就職先の賃金が基礎収入となります。
就職活動はしているが就職先は未定である場合は、失業前の収入を参考にします。
 

労働能力・労働意欲・就労の蓋然性の判断基準の例
  • 前職の内容…専門性や労働時間に着目
  • 退職の理由…転職活動の予定等に着目
  • 求職活動の状況…求職活動をしている=同上と判断
  • 扶養家族の有無…扶養家族がいる=就労の蓋然性が高いと判断

 

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 27歳(症状固定時)/男性
基礎収入 300万円
労働能力喪失率 20%(後遺障害等級11級と仮定)
ライプニッツ係数 23.115
就労可能年数 40年

 

「計算式」
300万円 × 0.20 × 23.115 = 1,386万9,000円

②死亡逸失利益

<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 41歳/男性
基礎収入 420万円
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 17.877
就労可能年数 26年
生活費控除率 40%

 

「計算式」
420万円 × 17.877 × (1-0.4) = 4,505万0,040円

 

学生・幼児

学生・幼児
学生や幼児の場合、将来の収入額を算定するのは困難なため、原則として生涯を通じて全年齢平均賃金を基礎収入額とします。

または、学歴平均賃金程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合は、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計の男女別労働者全年齢平均の賃金を基礎収入とします。

女子の場合は、「男女別」の平均賃金を採用する裁判例は減少しており、女性労働者の全年齢平均賃金ではなく、男女を含む全労働者の全年齢平均賃金で算出する傾向にあります。
高い逸失利益を求めるのであれば、示談交渉や裁判では、その判例に沿って主張していくべきです。

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 17歳(症状固定時)/男子
基礎収入 489万3,100円
労働能力喪失率 45%(後遺障害等級8級と仮定)
ライプニッツ係数 24.759
就労可能年数 49年

 
※基礎収入は、「令和4年の賃金センサス男性学歴計全年齢平均賃金」を採用。
 

「計算式」
489万3,100円 × 0.45 × 24.759 = 5,451万6,718円

②死亡逸失利益

<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 8歳/女児
基礎収入 489万3,100円
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 18.976
就労可能年数 49年
生活費控除率 30%

※基礎収入は、「令和4年の賃金センサス男女計学歴計全年齢平均賃金」を採用。
 

「計算式」
489万3,100円× 18.976 × (1-0.3) = 6,499万6,025円

 

高齢者

高齢者の場合、就労の蓋然性があれば原則として、賃金センサスの産業計・企業規模計・学歴計の男女別労働者全年齢平均の賃金を基礎収入とします。
場合によっては、年齢別平均賃金で計算されることもあります。

高齢者で、67歳を過ぎても働いている場合には、その後何年くらい働く蓋然性があるかで判断します。
年金をもらっている場合には、年金の種類にもよりますが、その年金額も考慮します。

<後遺障害逸失利益の計算例>

年齢・職業 71歳(症状固定時)/男性・無職(働く蓋然性あり)
基礎収入 300万円
労働能力喪失率 20%(後遺障害等級11級と仮定)
ライプニッツ係数 7.020
就労可能年数 8年

 

「計算式」
300万円 × 0.2 × 7.020 = 421万2,000円

②死亡逸失利益

死亡事故で受給資格のなくなった年金に関しても、次のようなものが逸失利益として認められます。

逸失利益性が認められた年金の種類
  • 老齢国民年金
  • 老齢厚生年金
  • 障害者年金
  • 公務員の退職年金給付
  • 農業者年金
  • 港湾労働者年金
  • 恩給

 
年金を逸失利益として扱えるのは、次の場合です。

  • ・給付目的が本人の生活維持である
  • ・給付と掛金支払いとの間に対価性がある
  • ・給付継続が確実であった

 
原則として、年金生活者の生活費控除率は50%~70%とされます。
ただし、実際の損害賠償実務では年金を含む収入全体からどの程度の額を支出していたか、その実態が考慮されることに注意が必要です。
 

年金生活者の生活費控除率が下方修正されるケースの例
  • 年金とは別に収入がある(不労収入含む)
  • ち家があり、固定資産税以外に家賃負担がなかった
  • 親子2世帯で同居しており、生活費の支出が少なかった
  • 亡くなった配偶者の遺族年金で生活費のほとんどをまかなえていた

 
<死亡逸失利益の計算例>

年齢・職業 82歳/女性・無職
基礎収入 130万円
労働能力喪失率 100%
ライプニッツ係数 3.717
就労可能年数 4年
生活費控除率 50%

 

「計算式」
130万円 × 3.717 × (1-0.5) = 241万6,050円

 

交通事故の逸失利益で注意するべき4つのポイント

交通事故の逸失利益で注意するべき4つのポイント
交通事故の被害にあって逸失利益を請求する際に注意していただきたいことがあります。

逸失利益が減額されたり、認められない後遺障害について

仕事(収入)には影響がない後遺障害と判断されて、逸失利益が減額されたり、認められない場合があるので注意してください。

① 外貌醜状や歯牙傷害
② 味覚・嗅覚障害
③ 脾臓摘出
④ 骨盤骨・鎖骨・脊柱変形 など

 
これらの傷害による後遺障害がある場合は一度、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。

わかりやすい動画解説はこちら

後遺障害を負ったが減収がない場合の逸失利益について

後遺症が残り、後遺障害等級が認定されたものの減収がない場合、逸失利益が認められない場合があります。

しかし、現時点では減収がなくても将来的に減収が発生する可能性もあります。
そうした場合、被害者ご自身で減収の可能性を主張・立証していくのは難しいと思いますので、交通事故に強い弁護士に相談・依頼することを検討されるといいでしょう。

死亡逸失利益は誰が受け取るのか?

死亡逸失利益や慰謝料などの損害賠償金は亡くなった被害者の方に支払われるものです。
しかし、被害者の方はすでに亡くなっているので、ご遺族が受け取ることになります。

ここで注意していただきたいのは、ご遺族であればどなたでも受け取ることができるわけではない、ということです。

法的には、受取人は相続人となり、相続の順位や比率が決められているため、トラブルにならないようにしていただきたいと思います。

逸失利益の正確な算定は専門家に相談してみる

本記事では逸失利益の計算について解説してきましたが、あくまでも一般的なものにすぎません。

交通事故は1つとして同じものはないので、それぞれの事案に応じて正確に判断し、算定していかなければ正しい金額を出すことはできないのです。

ですから、正しい逸失利益の金額を知りたい場合は、交通事故の損害賠償実務に精通した弁護士などの専門家に相談・依頼されることをおすすめします。

わかりやすい動画解説はこちら

 

逸失利益でお困りの場合は弁護士に相談を!

逸失利益で困ったら弁護士に相談
ここまで交通事故の逸失利益について解説してきましたが、どのように感じられたでしょうか。

逸失利益は、交通事故の損害項目の中でも金額が大きくなるものですから、被害者の方やご遺族は正しい金額を受け取るべきです。

しかし、前述したように加害者側の任意保険会社は逸失利益や慰謝料を低くに積もって提示してきますし、被害者の方が示談交渉で増額を主張しても受け入れることはほとんどありません

わかりやすい動画解説はこちら

 
そんな時、頼れる存在として弁護士がいることを知ってください。
交通事故に強い弁護士は、被害者の方やご遺族が示談交渉で泣き寝入りをしないよう、損害賠償で損をしないよう、全力で被害者弁護にあたります。

●交通事故に強い弁護士に相談・依頼をすると次のようなメリットがあります。

  • ご自身の正しい後遺障害等級を知ることができる。
  • 等級が間違っていたら、異議申立を依頼して正しい等級認定を受けることができる。
  • 適正な過失割合がわかり、慰謝料や逸失利益などの損害賠償金を適切に算定してもらえる。
  • 結果的に損害賠償金の増額が可能になる。
  • 裁判を起すことで、さらに損害賠償金が増額して解決する可能性が高まる
  • 加害者側の任意保険会社とのシビアな示談交渉から解放される。

 

 

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