交通事故による脛骨高原骨折の後遺症 | 過失割合はどうなる?
脛骨高原骨折(けいこつこうげんこっせつ)は、強い痛みや腫れだけでなく、歩けるまでの期間が長期化しやすい骨折の一つです。
交通事故で脛骨高原骨折を負い、後遺症が残った場合には、後遺障害に対する慰謝料を請求できる可能性があります。
本記事では、脛骨高原骨折の症状や後遺症、歩けるまでの期間、後遺障害が認定された際の慰謝料について、わかりやすく解説します。
目次
脛骨高原骨折とは
脛骨高原骨折(脛骨プラトー骨折)は、膝関節に近い脛骨の上部が損傷する骨折です。
外部から膝周囲に衝撃が加わることで発生し、受傷直後から強い痛みが生じるだけでなく、歩くことが困難になります。
また、膝に体重をかけることが難しくなることから、立ち上がりや歩行といった基本的な動作にも支障が出ます。
関節に近い部分の骨折であるため治療期間が長くなりやすく、適切な治療を行わない場合には、可動域の制限や痛みが後遺症として残る可能性があります。
さらに、骨折のタイプによっては手術を要するため、早期の診断と治療が重要です。
交通事故で脛骨高原骨折が
起きるケース
脛骨高原骨折は膝に衝撃が加わることで起こるため、自動車事故だけでなく、バイクや自転車の転倒、歩行者が車にはねられた場合など、さまざまな状況で受傷する可能性があります。
自動車事故の場合
自動車同士の事故では、衝突時にダッシュボードやドアに膝を強く打ちつけることで脛骨高原骨折が起きることがあります。
側面衝突の際には、膝が横方向から押されることで関節面がずれるタイプの骨折が生じるケースも見られます。
また、衝撃が大きい場合には脛骨高原骨折だけでなく、靭帯損傷や半月板損傷を伴うこともあります。
バイク事故・自転車事故の場合
バイクや自転車の交通事故では、接触時の衝撃だけでなく、転倒した際に膝を地面に強く打ちつけることで脛骨高原骨折が発生することがあります。
特にバイクは速度が高いため、膝に加わる衝撃が大きく、転倒時に脚がバイクの下敷きになったことで骨折するケースも見られます。
痛みが比較的軽い場合には打撲と考えてしまうこともありますが、骨折している可能性もあるため、早期の検査が求められます。
歩行者事故の場合
歩行者が自動車にはねられた場合、膝付近を強打することで脛骨高原骨折が発生することがあります。
車のバンパーの高さは歩行者の膝の位置と近いため、衝撃が直接伝わりやすいです。
また、膝付近が直接車と接触していなくても、転倒時に膝を地面に打ちつけることで骨折する可能性があります。
歩行者事故では全身にダメージを受けることも多いため、膝の痛みが軽く感じられても、検査を受けることが大切です。
脛骨高原骨折の検査方法
交通事故で膝に強い衝撃を受けた場合、骨折の有無や損傷の程度を正確に把握するために、レントゲン検査やCT検査を行います。
レントゲン検査では、骨折の有無や骨のずれを確認します。
CT検査では、骨の陥没など、より詳細な骨折状況を確認します。
また、交通事故で脛骨高原骨折を負った際には、靭帯損傷や半月板損傷を伴うこともあるため、必要に応じてMRI検査を実施し、軟部組織の損傷の有無を確認します。
脛骨高原骨折の治療方法と
歩けるまでの期間は?
脛骨高原骨折は、保存療法を選ぶか手術を行うかによって、回復までの流れが大きく変わります。
リハビリと歩けるようになる時期や完治するまでにかかる期間は、骨折のタイプや治療方法によって異なります。
保存療法
保存療法は、骨折によるずれが生じていない場合に選択される治療方法です。
骨が自然に癒合するまで患部をギプスで固定し、安静を保つことで回復を促します。
受傷直後は痛みや腫れが強く、体重をかけることが難しい状態が続くため、一定期間は松葉杖を使用して歩行を補助します。
固定期間は数週間に及ぶことが多く、固定が外れた後は膝の可動域が狭くなりやすいため、リハビリで曲げ伸ばしの練習や筋力回復を進めていきます。
保存療法は手術に比べて身体への負担が少ない一方、関節面のわずかなずれが残ると、痛みや可動域制限が後遺症として残る可能性があるため、経過観察と適切なリハビリが重要です。
手術療法
手術療法は、骨折によるずれが起きている場合や、関節面が陥没している場合に行われる治療方法です。
プレートやスクリューを用いて骨を元の位置に戻して固定し、関節面を平らに整復することで、将来の痛みや変形性関節症のリスクを抑制します。
手術後は、数日経過した段階で膝の曲げ伸ばしなどのリハビリを開始します。
骨がずれることを避けるため、一定期間は脚に体重をかけないようにリハビリを進める必要があります。
リハビリと歩けるまでの
一般的な期間
脛骨高原骨折の程度や回復のスピードには個人差がありますが、適切なリハビリを継続することで後遺症のリスクを抑えることができます。
リハビリでは、膝の可動域を広げる運動や荷重トレーニングを行い、関節の硬さや痛みを徐々に軽減していきます。
一本杖で歩けるようになるまでに1~2か月程度かかることもあり、その間はリハビリのために入院が必要となるケースもあります。
骨折形態によっては全治が半年から1年に及ぶこともあるため、症状に応じて無理のないペースでリハビリを進めることが重要です。
脛骨高原骨折による
後遺障害と慰謝料
後遺障害とは、交通事故の怪我を治療しても、これ以上の改善が見込めない「症状固定」と判断された症状のうち、一定の基準を満たして認定されたものをいいます。
後遺障害として認定されるかどうかは慰謝料の額に大きく影響するため、その仕組みを理解しておくことが重要です。
脛骨高原骨折の
主な後遺障害の種類
脛骨高原骨折では、関節面の損傷や軟骨の変形が残ることで、膝の動きや感覚に影響が出ることがあります。
治療を続けても痛みが残る、膝が曲がりにくいといった症状が続く場合、後遺障害として認定される可能性があります。
脛骨高原骨折で生じやすい後遺障害は「機能障害」と「神経障害」があり、症状が重いほど等級も重くなります。
機能障害
機能障害は、膝の曲げ伸ばしが制限される、関節が不安定になる、歩行に支障が出るといった状態を指します。
脛骨高原骨折では関節面の変形が残りやすく、膝の可動域が狭くなることで階段の昇降や長距離歩行が難しくなることがあります。
<脛骨高原骨折による機能障害の後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 1下肢の3大関節中の1関節の用を 廃したもの |
8級7号 |
| 1下肢の3大関節中の1関節の機能に 著しい障害を残すもの |
10級11号 |
| 1下肢の3大関節中の1関節の機能に 障害を残すもの |
12級7号 |
神経障害
神経障害は、痺れや痛みなどの神経症状が続く状態を指します。
骨折時に膝周辺の神経が圧迫されたり損傷したりすると、治療後も痺れなどが残ることがあり、これらの症状が慢性的に続く場合、後遺障害として認定される可能性があります。
<脛骨高原骨折による神経障害の後遺障害等級>
| 症状の内容 | 認定等級 |
|---|---|
| 局部に頑固な神経症状を残すもの | 12級13号 |
| 局部に神経症状を残すもの | 14級9号 |
後遺障害として認定された場合の慰謝料の相場
脛骨高原骨折による後遺障害が認定された場合、後遺障害慰謝料を請求できるようになります。
慰謝料の金額は、後遺障害等級が重くなるほど高額になります。
また、慰謝料を算定する基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)があり、どの基準を用いるかによっても慰謝料の金額は大きく変わります。
<機能障害の後遺障害慰謝料(等級別の目安)>
| 認定等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 8級7号 | 331万円 | 830万円 |
| 10級11号 | 190万円 | 550万円 |
| 12級7号 | 94万円 | 290万円 |
<神経傷害の後遺障害慰謝料(等級別の目安)>
| 認定等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 12級13号 | 94万円 | 290万円 |
| 14級9号 | 32万円 | 110万円 |
慰謝料の考え方と
過失割合の影響
交通事故の被害者となった場合、加害者に対して損害賠償を請求できます。
しかし、被害者側にも事故発生の一因(過失)があると判断されると、その過失割合に応じて受け取れる賠償額が減額されます。
たとえば、過失割合が「10:0 = 加害者:被害者」の場合、被害者は被った損害の全額を請求できます。
一方、過失割合が「8:2 = 加害者:被害者」の場合には、過失相殺によって損害賠償額が2割減額されることになります。
適切な賠償を受けるためには、過失割合の判断が重要となるため、事故状況の整理や証拠の保全を行いつつ、必要に応じて専門家へ相談することが望ましいです。
脛骨高原骨折による
後遺障害等級認定を
受けるためのポイント
後遺障害の認定を受けるには、申請手続きが不可欠です。
交通事故で脛骨高原骨折を負い、後遺症が残ったとしても、認定を受けなければ後遺障害慰謝料を請求することはできません。
後遺障害の申請にあたっては、症状の経過や治療内容を正確に記録し、医師に適切な診断書を作成してもらうことが重要です。
事故と後遺症との因果関係が十分に認められない場合、後遺障害として認定されなかったり、本来より低い等級が認定される可能性があります。
そのため、交通事故に遭った際は、速やかに検査を受け、継続的に治療を行いながら、後遺障害の等級認定に必要な準備を進めておくことが大切です。
交通事故で脛骨高原骨折を
負った際は弁護士に要相談
交通事故で脛骨高原骨折による後遺症が残った場合には、適切な慰謝料や損害賠償を受けるために、後遺障害等級の認定手続きが必要になります。
示談交渉では過失割合を巡って争いが生じることも多く、事故対応が被害者の大きな負担となることもあります。
そのため、交通事故の被害に遭った際は、交通事故を専門とする弁護士に相談することを検討してください。
弁護士に依頼すれば、申請手続きや保険会社との交渉を任せられるため、治療やリハビリに専念できます。
適切な賠償を確実に受けるためにも、早いタイミングで弁護士へ相談することをおすすめします。
交通事故で脛骨高原骨折による後遺症が残った場合は、まずは一度、みらい総合法律事務所の無料相談をご利用ください。
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代表社員 弁護士 谷原誠















