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交通事故の慰謝料でよくあるQ&Aまとめ

最終更新日 2023年 01月05日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の慰謝料でよくあるQ&Aまとめ

【6分で解説!】記事を読む前に動画で全体像を把握できます

 

何らかのトラブルが起きた場合、被害者の方が相手側に請求して受け取ることができるものに慰謝料があることは、みなさんご存知でしょう。

交通事故の場合も、被害者の方は慰謝料を受け取ることができます。

しかし、この慰謝料についてどのくらい理解しているかというと……あまり自信がないという方が多いのではないでしょうか。

交通事故の損害賠償金の中でも、慰謝料は金額が大きくなるものの1つです。
そのため、加害者側の任意保険会社は(加害者が任意保険に加入している場合)、被害者の方に支払う慰謝料を低く抑えようとしてきます。

これは被害者の方にとっては、たまったものではありません。
精神的、肉体的に損害を背負わされたうえに、慰謝料まで損をさせられる事態は絶対に避けなければいけません。

そこで本記事では、交通事故の相談者からよくある慰謝料に関する質問について、Q&A形式で解説していきたいと思います。

これから、交通事故の慰謝料に関する質問にQ&A形式で解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

Q)慰謝料って1つじゃないんですか? 少し詳しく教えてください。

慰謝料って1つじゃないんですか
交通事故にあって、現在入院中です。
見舞いに来てくれた友人から慰謝料について心配されました。
彼が言うには、慰謝料は1つではないということですが、そうなんですか?
そもそも、交通事故の慰謝料はどういうものなのか教えてください。

A)交通事故の慰謝料というのは、被害者の方が負った精神的苦痛・損害に対して支払われるものですが、じつは4種類あります。

交通事故の被害者の方が受け取ることができる慰謝料は3種類あります。
そして、ご家族が受け取ることができるものと合わせて、慰謝料は次の4種類になります。

1.入通院慰謝料(傷害慰謝料)

  • ・傷害(ケガ)を負って、その治療のために入院・通院した場合に支払われる慰謝料。
  • ・対象となる期間は、ケガの治療を始めてから症状固定まで。

2.後遺障害慰謝料

症状固定の診断後、被害者の方に後遺症が残ってしまい、後遺障害が認定された場合に、その等級に応じて支払われる慰謝料。

参考情報:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)

3.死亡慰謝料

  • ・被害者の方が亡くなった場合に支払われる慰謝料。
  • 受取人は法的な相続人になる(被害者の方はすで亡くなっているため)。

4.近親者慰謝料

被害者の方が亡くなった場合、または重傷事故で重度の後遺障害が残ってしまった場合に、ご家族の精神的苦痛・損害に対して支払われる慰謝料です。

Q)慰謝料、損害賠償金、示談金、保険金…何が、どう違うのでしょうか?

慰謝料の種類、何が、どう違うのでしょうか?
ネットで交通事故のサイトを見ていると、慰謝料とか損害賠償金、示談金、保険金などいろいろなものが出てきますが、これらは同じものではないですよね? 
それぞれの内容について教えてください。

A)損害賠償金、示談金、保険金は呼び方が違うだけで同じものです。

「損害賠償金」
被害者の方から見た場合、交通事故で被った損害を加害者側から金銭で賠償してもらうもの。

「示談金」
被害者側と加害者側(保険会社)の示談によって賠償金額が合意されるもの。

「保険金」
加害者側の任意保険会社の立場から見た場合、加害者との保険契約に基づいて被害者の方に支払うもの。

つまり、どの立場から見るかによって、これらは呼び方が変わるだけで、すべて同じものということになります。

なお、慰謝料というのは損害賠償金の中に含まれる、さまざまある損害賠償項目の1つになります。

わかりやすい動画解説はこちら

Q)交通事故の被害にあった時、慰謝料以外にも受け取ることができるものを知りたいです。

慰謝料以外にも受け取ることができるものを知りたい
交通事故でケガをしたので自分でも調べてみたところ、被害者は慰謝料以外にも受け取ることができるものがあるようですが、いろいろあって複雑です……。

A)慰謝料以外にもさまざまな損害項目があるので解説していきます。

被害者の方やご家族が受け取ることができる損害賠償項目は、大きく次の3つに分けて考えます。

1.入通院に関連する損害

入通院をして、傷害(ケガ)の治療をした場合に受け取ることができる損害項目には次のようなものがあります。

  • ・治療関係費(手術費、治療費、薬品代など)
  • ・付添費
  • ・入院雑費
  • ・休業損害
  • ・入通院慰謝料
  • ・交通費 など

2.後遺障害による損害

後遺障害が残った場合に受け取ることができる損害項目は次のとおりです。

  • ・将来介護費
  • ・後遺障害慰謝料
  • ・後遺障害逸失利益
  • ・家屋・自動車等の改造費 など

3.死亡事故の損害

  • ・死亡慰謝料
  • ・死亡逸失利益
  • ・葬儀関係費
  • ・弁護士費用 など

 

Q)慰謝料額は誰が、どうやって決めるのでしょうか?

慰謝料額は誰が、どうやって決定?
加害者側の任意保険会社から慰謝料などの金額が書かれた書類が送られてきました。
正直なところ、かなり低いと感じています。
慰謝料などは、できるだけ多く受け取りたいと考えているのですが、そもそも金額は誰が、どうやって決めているのですか?

A)慰謝料の算定には3つの基準が使われるのですが、どの基準によって算定するかによって、かなり金額に違いが出てきます。

交通事故の慰謝料を算定する際には、次の3つの基準が使われています。

1.自賠責基準
自賠責保険が定めている基準で、金額はもっとも低くなる。

2.任意保険基準
各任意保険会社が独自に設けている基準で、各社非公表。
自賠責基準よりも少し高い金額になるように設定されていると考えられる。

3.弁護士(裁判)基準

  • 金額がもっとも高額になる基準で、被害者の方が本来受け取るべき金額になる。
  • ・これまでの膨大な裁判例から導き出されている基準で、弁護士や裁判所が用いる。
  • ・弁護士が被害者の方の代理人として加害者側の任意保険会社と示談交渉をする場合や、裁判になった場合は、この規準による金額を主張する。

 
なお、加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は、その保険会社の考え方、規定によって自賠責基準か任意保険基準で算定したものです。

ですから、その金額は決して正しいわけでも、絶対的なものでもないので、そのまま信じて示談をしてしまわないようにしてください

被害者の方が本来、受け取るべきなのは、弁護士(裁判)基準で計算した金額になります。

Q)慰謝料は、どのように計算するのでしょうか?

慰謝料は、どのように計算するのか?
自分の慰謝料額を知りたいのですが、どのように計算すればいいのでしょうか?

A)各慰謝料それぞれの計算方法があり、また基準の違いによって変わってくるので解説します。

「入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算方法と金額」

1.自賠責基準による入通院慰謝料の計算方法
自賠責基準による入通院慰謝料は、1日あたりの金額が4,300円と定められており、次の計算式で求めます。

4300円(1日あたりの金額)×入通院日数=入通院慰謝料

※入通院慰謝料は、1日のみの入院・通院から受け取ることができます

<注意していただきたいポイント>
入通院日数(治療の対象日数)は、次のどちらか短いほうが採用されることに注意が必要です。

A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」

たとえば、次の場合で考えてみます。

・治療期間:4か月(1か月の入院+3か月の通院)=120日間
・実際に治療した日数:入院1か月=30日間  
           通院3か月(平均で週に2回の通院)=13週×2日=26日間

A)4,300円×120日=516,000円
B)4,300円×56日=240,800円

B)のほうが日数が少なくなるので、この場合は240,800円が入通院慰謝料として認められます。

2.弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の計算
弁護士(裁判)基準の場合、計算式は使いません。
日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている入通院慰謝料の算定表から金額を割り出します。

算定表は、ケガの程度によって「軽傷用」と「重傷用」があります。

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなどの軽傷用)>

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(重傷用)>

ここでも、1か月の入院+3か月の通院の場合で考えてみます。

上記の「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院3か月」が交わった部分を見てください。
「115」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は115万円になります。

単純に比較して、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、約4.8倍も慰謝料額が変わってきます。

やはり、慰謝料は弁護士(裁判)基準で解決するべき、という事実を被害者の方には、ぜひ知っていただきたいと思います。

「後遺障害慰謝料の計算方法と金額」

後遺障害慰謝料は、

被害者の方が認定された後遺障害等級に応じて、あらかじめ相場金額が定められています。

ただし、これは後ほど詳しくお話しますが、あくまでも相場金額であって絶対ではないことに注意が必要です。

実際の損害賠償実務では、慰謝料額が増額することがあるという事実を知っていただきたいと思います。

ここでは、後遺障害等級1級から14級について、自賠責基準と弁護士(裁判)基準それぞれによる「後遺障害慰謝料早見表」を作成してみたので、参考にしてください。

<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の金額表>

ここでも要注意なのは、基準の違いによる金額の差です。
弁護士(裁判)基準と自賠責基準では、その差は歴然です。

「死亡慰謝料の計算方法と金額」

1.自賠責基準による死亡慰謝料
自賠責基準による死亡慰謝料は、次のようにあらかじめ相場金額が決められています。

「自賠責基準による死亡慰謝料の金額早見表」

家族構成 金額
本人 400万円(一律)
遺族が1人の場合 550万円
遺族が2人の場合 650万円
遺族が3人以上の場合 750万円
扶養家族がいる場合 200万円が加算

注1)遺族には被害者の方の両親、配偶者、子が含まれます。

注2)自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われることに注意が必要です。

たとえば、死亡した被害者の方に妻と2人の子供がいて、家族の生計を支えていた場合の相場金額は次のようになります。

400万円+750万円+200万円=1350万円(死亡慰謝料)

 


 

2.弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料
弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額は、次のように大体の相場金額が決められています。

<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額早見表>

被害者の状況 死亡慰謝料の目安
(近親者への支払い分を含む)
一家の支柱 2800万円
母親、配偶者 2500万円
独身の男女、子供、幼児等 2000万円~2500万円


 

<慰謝料自動計算機を使ってみましょう!>
なお、みらい総合法律事務所では、どなたでも使えて、すぐに慰謝料などの損害賠償金額を知ることができる「慰謝料自動計算機」をWEB上にご用意しています。

数字などを入力するだけで、概ねの金額を知ることができますので、ぜひご活用ください。

Q)保険会社からの提示額に納得がいきません! 慰謝料などを増額することはできないのでしょうか?

保険会社からの提示額に納得できない

先日、加害者側の任意保険会社から慰謝料などの損害賠償金の通知書なるものが届きましたが、まったく納得できないし、金額が低すぎて頭にきています。

なんとか増額を勝ち取る方法はありませんか?

A)慰謝料増額のための対処法がありますので、解説します。

加害者側の任意保険会社は営利法人ですから、利益を追求するために被害者の方に支払う示談金(保険金)をできるだけ低く見積もって提示してくることが多いです。

ですから、被害者の方は、その金額を簡単に信じてはいけません。

そこで、慰謝料を増額させる対応が必要になってきます。

1.慰謝料増額事由がないか確認する

被害者の方やご遺族の精神的苦痛、損害がより大きいと判断される場合は、後遺障害慰謝料と死亡慰謝料が増額するケースがあります。

次のような事情がある場合は、すぐに弁護士に相談してください。

1.加害者の悪質運転(故意や重過失がある場合)

  • ・著しいスピード違反
  • ・飲酒運転
  • ・ながら運転
  • ・薬物使用
  • ・無免許運転
  • ・信号無視
  • ・センターラインオーバー
  • ・ひき逃げ(救護義務違反) など

 
2.被害者の方に特別な事情がある場合
過去の裁判例では次のような事例があり、慰謝料が増額しています。

  • ・交通事故による傷害(ケガ)が胎児にも影響し、人工中絶を余儀なくされた。
  • ・腕や脚、指などの運動機能に麻痺の後遺症が残り、将来の夢が絶たれた。
  • ・後遺障害を負ったことで、肢体障害を持つ家族の介護などができなくなった。
  • ・交通事故で負った後遺障害が原因となり、婚約破棄や離婚に至った。
  • ・被害者がまだ幼い。
  • ・ご遺族の精神的ショックが大きく、精神疾患を患ってしまった。 など

 
3.加害者の態度が悪質な場合

  • ・被害者や遺族への謝罪がない。
  • ・被害者や遺族に対して悪態をつく。
  • ・警察に虚偽の供述をした。 など

 

2.弁護士に相談・依頼する

まずは弁護士に相談して、弁護士(裁判)基準による慰謝料額を計算してもらってください。

その金額に納得がいけば、正式に弁護士に依頼して、保険会社との示談交渉に代理人として入ってもらいます。

弁護士は、保険会社に対して弁護士(裁判)基準による慰謝料額を主張します。
示談交渉が決裂した場合は提訴して、裁判での決着を図ります。

今回ご紹介した、より詳しい解説ページや動画をご覧になっていただくと慰謝料に対する理解が深まると思います。

なお、みらい総合法律事務所では随時、無料相談を行なっていますので、ぜひご利用ください。

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