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交通事故の慰謝料でよくあるQ&Aまとめ【2024年版】

最終更新日 2024年 11月19日

交通事故の慰謝料でよくあるQ&Aまとめ

「交通事故の慰謝料」とは、交通事故で被害者等が受けたの精神的な損害の賠償のことをいいます。

交通事故の慰謝料には、大きく分けると、

  • ①入通院慰謝料
  • ②後遺症慰謝料
  • ③死亡慰謝料

の3種類があります。

「①入通院慰謝料」とは、怪我によって医療機関に入通院しなければならなくなった精神的損害の賠償であり、例えば6ヶ月間の通院では116万円が相場です。

「②後遺症慰謝料」とは、後遺症による精神的損害の賠償であり、自賠責後遺障害等級1級~14級に対応して、2,800万円~110万円との相場になっています。

「③死亡慰謝料」とは、死亡によって被害者が受けた精神的損害の賠償であり、2,000万円~2,800万円が相場です。

この場合、近親者にも「④近親者慰謝料」というものが認められる場合があります。

そして、慰謝料の計算方法には、

  • (1)自賠責基準
  • (2)任意保険基準
  • (3)弁護士(裁判)基準

の3つがあります。

交通事故の被害者は、初めて事故に遭う、という人がほとんどでしょうから、慰謝料について、わからないことだらけだと思います。

そこで、この記事では、交通事故の被害者からよく質問を受ける内容について、被害者がよく理解できようQ&A形式で慰謝料について網羅的に解説をしていきます。

この記事は、2024年版です。「交通事故の慰謝料」について、よく理解できるよう願っています。

Q)慰謝料とは、何ですか?

慰謝料って1つじゃないんですか
交通事故にあって、現在入院中です。
見舞いに来てくれた友人から慰謝料について心配されました。
彼が言うには、慰謝料は1つではないということですが、そうなんですか?
そもそも、交通事故の慰謝料はどういうものなのか教えてください。

A)交通事故の慰謝料というのは、被害者の方が負った精神的苦痛・損害に対して支払われるものですが、じつは4種類あります。

交通事故の被害者の方が受け取ることができる慰謝料は3種類あります。
そして、ご家族が受け取ることができるものと合わせて、慰謝料は次の4種類になります。

1.入通院慰謝料(傷害慰謝料)

  • ・傷害(ケガ)を負って、その治療のために入院・通院した場合に支払われる慰謝料。
  • ・対象となる期間は、ケガの治療を始めてから症状固定まで。

2.後遺障害慰謝料

症状固定の診断後、被害者の方に後遺症が残ってしまい、後遺障害が認定された場合に、その等級に応じて支払われる慰謝料。

参考情報:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)


3.死亡慰謝料

  • ・被害者の方が亡くなった場合に支払われる
    慰謝料。
  • ・受取人は法的な相続人になる
    (被害者の方はすで亡くなっているため)。

4.近親者慰謝料

被害者の方が亡くなった場合、または重傷事故で重度の後遺障害が残ってしまった場合に、ご家族の精神的苦痛・損害に対して支払われる慰謝料です。


Q)慰謝料額は誰が、どうやって
決めるのでしょうか?

慰謝料額は誰が、どうやって決定?
加害者側の任意保険会社から慰謝料などの金額が書かれた書類が送られてきました。
正直なところ、かなり低いと感じています。
慰謝料などは、できるだけ多く受け取りたいと考えているのですが、そもそも金額は誰が、どうやって決めているのですか?

A)慰謝料の算定には3つの基準が使われるのですが、どの基準によって算定するかによって、かなり金額に違いが出てきます。

交通事故の慰謝料を算定する際には、次の3つの基準が使われています。

1.自賠責基準

自賠責保険が定めている基準で、金額はもっとも低くなる。

2.任意保険基準

各任意保険会社が独自に設けている基準で、各社非公表。
自賠責基準よりも少し高い金額になるように設定されていると考えられる。

3.弁護士(裁判)基準

  • ・金額がもっとも高額になる基準で、被害者の方が本来受け取るべき金額になる。
  • ・これまでの膨大な裁判例から導き出されている基準で、弁護士や裁判所が用いる。
  • ・弁護士が被害者の方の代理人として加害者側の任意保険会社と示談交渉をする場合や、裁判になった場合は、この規準による金額を主張する。

 
なお、加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は、その保険会社の考え方、規定によって自賠責基準か任意保険基準で算定したものです。

ですから、その金額は決して正しいわけでも、絶対的なものでもないので、そのまま信じて示談をしてしまわないようにしてください。

被害者の方が本来、受け取るべきなのは、弁護士(裁判)基準で計算した金額になります。

Q)慰謝料は、どのように計算
するのでしょうか?

慰謝料は、どのように計算するのか?
自分の慰謝料額を知りたいのですが、どのように計算すればいいのでしょうか?

A)各慰謝料それぞれの計算方法があり、また基準の違いによって変わってくるので解説します。

「入通院慰謝料(傷害慰謝料)の
計算方法と金額」

1.自賠責基準による入通院慰謝料の計算方法
自賠責基準による入通院慰謝料は、1日あたりの金額が4,300円と定められており、次の計算式で求めます。

4,300円(1日あたりの金額) × 入通院日数 = 入通院慰謝料

※入通院慰謝料は、1日のみの入院・通院から
受け取ることができます
。

<注意していただきたいポイント>
入通院日数(治療の対象日数)は、次のどちらか短いほうが採用されることに注意が必要です。

A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」

たとえば、次の場合で考えてみます。

<治療期間>
4か月(1か月の入院 + 3か月の通院)
= 120日間

<実際に治療した日数>
入院1か月 = 30日間
通院3か月(平均で週に2回の通院)
= 13週 × 2日 = 26日間
30日間 + 26日間 = 56日間

A)4,300円 × 120日 = 516,000円
B)4,300円 ×(56日 × 2)= 481,600円

B)のほうが日数が少なくなるので、この場合は481,600円が入通院慰謝料として認められます。

2.弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の計算
弁護士(裁判)基準の場合、計算式は使いません。
日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出します。

算定表は、ケガの程度によって「軽傷用」と「重傷用」があります。

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の
算定表(むち打ちなどの軽傷用)>

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月
通院 0 35 66 92 116 135 152
1月 19 52 83 106 128 145 160
2月 36 69 97 118 138 153 166
3月 53 83 109 128 146 159 172
4月 67 95 119 136 152 165 176
5月 79 105 127 142 158 169 180
6月 89 113 133 148 162 173 182
7月 97 119 139 152 166 175 183
8月 103 125 143 156 168 176 184
9月 109 129 147 158 169 177 185
10月 113 133 149 159 170 178 186
11月 117 135 150 160 171 179 187
12月 119 136 151 161 172 180 188

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の
算定表(重傷用)>

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月
通院 0 53 101 145 184 217 244
1月 28 77 122 162 199 228 252
2月 52 98 139 177 210 236 260
3月 73 115 154 188 218 244 267
4月 90 130 165 196 226 251 273
5月 105 141 173 204 233 257 278
6月 116 149 181 211 239 262 282
7月 124 157 188 217 244 266 286
8月 132 164 194 222 248 270 290
9月 139 170 199 226 252 274 292
10月 145 175 203 230 256 276 294
11月 150 179 207 234 258 278 296
12月 154 183 211 236 260 280 298

ここでも、1か月の入院+3か月の通院の場合で
考えてみます。

上記の「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院3か月」が交わった部分を見てください。
「115」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は115万円になります。

単純に比較して、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、約4.8倍も慰謝料額が変わってきます。

やはり、慰謝料は弁護士(裁判)基準で解決するべき、という事実を被害者の方には、ぜひ知っていただきたいと思います。

「後遺障害慰謝料の計算方法と金額」

後遺障害慰謝料は、

被害者の方が認定された後遺障害等級に応じて、あらかじめ相場金額が定められています。

ただし、これは後ほど詳しくお話しますが、あくまでも相場金額であって絶対ではないことに注意が必要です。

実際の損害賠償実務では、慰謝料額が増額することがあるという事実を知っていただきたいと思います。

ここでは、後遺障害等級1級から14級について、自賠責基準と弁護士(裁判)基準それぞれによる「後遺障害慰謝料早見表」を作成してみたので、参考にしてください。

<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による
後遺障害慰謝料の金額表>

後遺障害
等級
自賠責基準 自賠責基準
(※2020/3/31
以前)
弁護士基準
要介護1級 1,650 1,600 2,800
要介護2級 1,203 1,163 2,370
1級 1,150 1,100 2,800
2級 998 958 2,370
3級 861 829 1,990
4級 737 712 1,670
5級 618 599 1,400
6級 512 498 1,180
7級 419 409 1,000
8級 331 324 830
9級 249 245 690
10級 190 187 550
11級 136 135 420
12級 94 93 290
13級 57 57 180
14級 32 32 110

※慰謝料の単位(万円)

ここでも要注意なのは、基準の違いによる金額の差です。
弁護士(裁判)基準と自賠責基準では、その差は歴然です。

「死亡慰謝料の計算方法と金額」

1.自賠責基準による死亡慰謝料
自賠責基準による死亡慰謝料は、次のようにあらかじめ相場金額が決められています。

「自賠責基準による死亡慰謝料の金額早見表」

家族構成 金額
本人 400万円(一律)
遺族が1人の場合 550万円
遺族が2人の場合 650万円
遺族が3人以上の場合 750万円
扶養家族がいる場合 200万円が加算

注1)遺族には被害者の方の両親、配偶者、
子が含まれます。

注2)自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われることに注意が必要です。

たとえば、死亡した被害者の方に妻と2人の子供がいて、家族の生計を支えていた場合の相場金額は次のようになります。

400万円 + 750万円 + 200万円
= 1,350万円(死亡慰謝料)

 


 

2.弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料
弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額は、次のように大体の相場金額が決められています。

<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の
相場金額早見表>

被害者の状況 死亡慰謝料の目安
(近親者への支払い分を含む)
一家の支柱 2,800万円
母親、配偶者 2,500万円
独身の男女、
子供、幼児等
2,000万円~2,500万円


 

<慰謝料自動計算機を使ってみましょう!>
なお、みらい総合法律事務所では、どなたでも使えて、すぐに慰謝料などの損害賠償金額を知ることができる「慰謝料自動計算機」をWEB上にご用意しています。

数字などを入力するだけで、概ねの金額を知ることができますので、ぜひご活用ください。


Q)保険会社からの提示額に納得がいきません! 慰謝料などを増額することはできないのでしょうか?

保険会社からの提示額に納得できない

先日、加害者側の任意保険会社から慰謝料などの損害賠償金の通知書なるものが届きましたが、
まったく納得できないし、金額が低すぎて
頭にきています。

なんとか増額を勝ち取る方法はありませんか?

A)慰謝料増額のための対処法がありますので、解説します。

加害者側の任意保険会社は営利法人ですから、利益を追求するために被害者の方に支払う示談金(保険金)をできるだけ低く見積もって
提示してくることが多いです。

ですから、被害者の方は、その金額を簡単に
信じてはいけません。

そこで、慰謝料を増額させる対応が必要に
なってきます。

1.慰謝料増額事由がないか確認する

被害者の方やご遺族の精神的苦痛、損害がより大きいと判断される場合は、後遺障害慰謝料と死亡慰謝料が増額するケースがあります。

次のような事情がある場合は、すぐに弁護士に
相談
してください。

1.加害者の悪質運転(故意や重過失がある場合)

  • ・著しいスピード違反
  • ・飲酒運転
  • ・ながら運転
  • ・薬物使用
  • ・無免許運転
  • ・信号無視
  • ・センターラインオーバー
  • ・ひき逃げ(救護義務違反) など

 
2.被害者の方に特別な事情がある場合
過去の裁判例では次のような事例があり、慰謝料が増額しています。

  • ・交通事故による傷害(ケガ)が胎児にも影響し、人工中絶を余儀なくされた。
  • ・腕や脚、指などの運動機能に麻痺の後遺症が残り、将来の夢が絶たれた。
  • ・後遺障害を負ったことで、肢体障害を持つ家族の介護などができなくなった。
  • ・交通事故で負った後遺障害が原因となり、婚約破棄や離婚に至った。
  • ・被害者がまだ幼い。
  • ・ご遺族の精神的ショックが大きく、精神疾患を患ってしまった。 など

 
3.加害者の態度が悪質な場合

  • ・被害者や遺族への謝罪がない。
  • ・被害者や遺族に対して悪態をつく。
  • ・警察に虚偽の供述をした。 など

 

詳しい動画解説はこちら

・慰謝料は相場から大幅に増額される!

2.弁護士に相談・依頼する

まずは弁護士に相談して、弁護士(裁判)基準による慰謝料額を計算してもらってください。

その金額に納得がいけば、正式に弁護士に依頼して、保険会社との示談交渉に代理人として入ってもらいます。

弁護士は、保険会社に対して弁護士(裁判)基準による慰謝料額を主張します。
示談交渉が決裂した場合は提訴して、裁判での決着を図ります。

今回ご紹介した、より詳しい解説ページや動画をご覧になっていただくと慰謝料に対する理解が深まると思います。

なお、みらい総合法律事務所では随時、無料相談を行なっていますので、ぜひご利用ください。

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監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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