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鼻の後遺障害等級と慰謝料の相場と計算方法

最終更新日 2021年 10月24日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

鼻の後遺障害等級と慰謝料の相場と計算方法


まずは、動画で、鼻の後遺障害の概要について、理解しましょう。

後遺障害が残ってしまった際に知っておきたいこと

交通事故の被害で負った傷害(ケガ)が完治すればいいのですが、回復せず後遺症が残ってしまった場合、被害者の方は生活に大きな支障をきたすことになります。

本記事では、鼻の傷害(ケガ)について解説していきますが、嗅覚障害や呼吸障害、鼻の欠損による外貌醜状などの後遺症が残ってしまった場合、精神的・肉体的苦痛や収入減による将来の不安など、被害者の方は大きな損害を被ることになります。

そこで、加害者側に損害賠償を求めていく必要があるのですが、ここでの手続きは基本、誰かがやってくれるわけではありません。

法的、医学的な知識が必要ですし、加害者側の保険会社との示談では交渉力も必要です。

相手は保険と交渉のプロですから、手強いですね。

そうしたときに頼りになるのが、交通事故に強い弁護士。

任意保険に加入している加害者が示談代行サービスを使って、自分では話し合いをせず、保険会社の担当者に任せてしまうのですから、被害者の方もプロに任せてしまうという選択肢、これを検討することも大切だと思います。

本記事では、交通事故の後遺障害等級認定や慰謝料等の損害賠償金、示談交渉などで重要なことも含めてお話ししていきます。

これから交通事故で鼻を負傷した場合の後遺障害等級や慰謝料などについて解説していきますが、その前に交通事故解決までの全プロセスを説明した無料小冊子をダウンロードしておきましょう。

交通事故の解決までの流れと手続きはどうなっている?

まずは、交通事故の全体像を見ておきましょう。
発生から解決まで、どのように進んでいくのか? 
被害者の方は何をしなければいけないのか? を知ることは、とても大切です。

交通事故の解決までの流れと手続き

☑症状固定は医学的な判断

入院・通院をしてケガの治療を続けても、これ以上回復しない、完治の見込みがないという時期が来る場合があります。

このとき、主治医は「症状固定」の診断をするのですが、被害者の方には後遺症が残ってしまうことになります。

なお、加害者側の保険会社が、「もう症状固定としてください。これ以降は治療費の支払いはできません」などと言ってくる場合がありますが、症状固定の診断は医師が行なうべきものだということは覚えておいてください。

ではなぜ、保険会社がそんなことを言ってくるのか。
こちらの記事で解説しています。

☑後遺障害等級の認定は損害賠償では必須

後遺症が残った場合、被害者の方は後遺障害等級認定の申請を行なう必要があります。

というのは、加害者が任意保険に加入している場合、その保険会社が慰謝料や逸失利益などの各損害項目の金額を算出して、合計としての損害賠償金額を提示してくるからです。

つまり、ご自身の後遺障害等級が決まらないと損害賠償金を受け取ることができないのです。

後遺障害等級は、もっとも重度の1級から順に14級まで設定されており、後遺障害が残った体の部位によって各号数が定められています。

また、それぞれの後遺障害等級には、概ねの慰謝料(相場金額)が決められているので、これをベースに示談交渉を進めていくことになります。

【参考情報】
「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)

☑等級に不服があれば異議申立を行なう

通常、後遺障害等級の申請をしてから1~2か月で認定結果が届きます。

ここで認定された等級が低い、もしくは等級が認定されなかったために不服があるなら、異議申立を行ないましょう。

ただし、適切な等級の認定を受けるためには、新たに医学的な書類や画像データなどを提出しなければいけませんので、医学的知見のある交通事故に強い弁護士に一度相談してみることをおすすめしています。

なお、異議申立の申請後、通常は2~4か月ほどで新たな判断が示されます。

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☑なぜ示談交渉が必要なのか?

後遺障害等級が認定されると、加害者側の任意保険会社(加害者が任意保険に加入している場合)から慰謝料などの損害賠償金(示談金、保険金と呼び方が違うだけで同じもの)の提示があります。

ここで金額に納得ができれば示談交渉には進まず、示談終了となります。

しかし、金額に不満があれば示談交渉に入っていきます。

じつは、保険会社の提示額は本来であれば被害者の方が受け取るべき金額よりかなり低いことが通常です。

保険会社は営利法人ですから、できるだけ収入を増やして、支出となる被害者への保険金を減らそうとするからです。

そこで保険会社は、被害者の方の過失や逸失利益(ケガをしなければ得ていたはずの収入)の減額を主張して、示談金を引き下げようとしてきます。

被害者の方の過失割合が高くなるほど、受け取る損害賠償金額は減っていくので、示談交渉では正しい金額を主張していくことが被害者の方には大切になってくるのです。

☑裁判を行なうと損害賠償金が増額することも!

示談交渉が決裂したなら、訴訟を提起して裁判での決着をはかることになります。

裁判を避けたがる被害者の方もいらっしゃるのですが、じつは裁判で判決までいくと、「弁護士費用相当額」や「遅延損害金」というものが追加されます。

つまり、損害賠償金が増額する、弁護士費用を加害者側に負担させることができる、ということもできます。

ですから、「裁判は嫌だ・・・」と単純に思わないでいただきたいと思います。

なお、被害者ご自身で裁判を進めていくのは相当困難ですから、やはり交通事故に強い弁護士に依頼することが大切になってきます。

鼻の後遺障害等級と慰謝料額の一覧表

(1) 鼻の欠損障害

鼻の軟骨部分の全部、あるいは大部分を失った状態です。
鼻の欠損が大部分までいかない場合、鼻の直接の障害ではなく外貌醜状が認定される場合があります。

「後遺障害等級9級5号」
後遺障害:鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
後遺障害慰謝料:690万円
自賠責保険金額:616万円
労働能力喪失率:35%

※機能の著しい障害とは、嗅覚脱失、鼻呼吸困難など

「後遺障害等級12級14号」
後遺障害:外貌に醜状を残すもの
後遺障害慰謝料:290万円
自賠責保険金額:224万円
労働能力喪失率:14%

(2) 鼻の欠損をともなわない機能障害

嗅覚障害で、嗅覚脱失した場合は12級相当、鼻呼吸困難で12級相当、嗅覚減退で14級相当が認定されます。

被害者は知っておきたい慰謝料等の基礎知識

(1)慰謝料の計算には3つの基準がある!一番高額なのは?

慰謝料について、ふと疑問を感じることはないでしょうか?
「誰が金額を決めているのか?」という疑問です。

じつは、慰謝料の基準には次の3つがあります。

「自賠責基準」

☑自動車損害賠償保障法によって定められている、自賠責保険による算定基準で、もっとも金額が低くなります。

☑被害者救済のために設立されたのが自賠責保険であるため、物損事故や自損事故には適用されず、人身事故のみ適用されます。

☑人身事故で補償される金額には支払い限度があり、傷害(ケガ)の場合は120万円です。

☑後遺障害等級が認定された場合は、その等級によって、次の表のように保険金額が決められています。

【支払限度額1】
神経系統の機能、精神、胸腹部臓器への著しい障害により介護が必要な場合(被害者1名につき)

自賠責法別表第1

常時介護を要する場合
(後遺障害等級1級)
最高で4000万円
随時介護を要する場合
(後遺障害等級2級)
最高で3000万円

【支払限度額2】
上記以外の後遺障害の場合
第1級:最高で3000万円~第14級:最高で75万円

自賠責法別表第2

第1級 3000万円
第2級 2590万円
第3級 2219万円
第4級 1889万円
第5級 1574万円
第6級 1296万円
第7級 1051万円
第8級 819万円
第9級 616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級 75万円
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「任意保険基準」

☑任意保険を提供している各保険会社が独自に設定している基準です。

☑非公表のため正確にはわかりませんが、過去の統計から自賠責基準より少し高いくらいの金額で設定されていると考えられます。

「弁護士(裁判)基準」

☑過去の膨大な裁判例から導き出されているもので、もっとも高額になる基準です。

☑法的根拠がしっかりしているため、弁護士が加害者側の保険会社と示談交渉を行なう際は、この基準で算定した金額を主張していきますし、裁判でも認められる可能性が高くなります。

被害者の方が本来受け取るべき正しい金額は、この基準で計算した金額になります。

このように、3つの基準にはそれぞれ根拠があるわけですが、被害者の方としては、弁護士(裁判)基準での示談解決を目指すことが大切になってくるのです。

こちらの記事でも詳しく解説しています

(2) 後遺障害で受け取ることができる2つの慰謝料

よく、「慰謝料はいくら」とか「慰謝料を請求する」などと言われますが、じつはこの慰謝料、1つではありません。

ケガを負って、後遺障害等級が認定された場合、「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」という
2つの慰謝料を受け取ることができる
のです。
(被害者の方が亡くなった場合は、死亡慰謝料を相続人が受け取ることができます)

ですから、被害者の方はこの2つを分けて考え、請求することが大切です。

<自賠責基準による入通院慰謝料の算出方法>
入通院慰謝料は、ケガの治療のために入通院した場合に受け取ることができるもので、次の計算式で算出します。

4300円(1日あたり) × 入通院日数
= 入通院慰謝料

☑自賠責基準により、1日あたりの金額は
4300円と定められています。

これは、改正民法(2020年4月1日施行)により改定された金額で、2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合は、4200円
(1日あたり)で計算します。

☑金額の計算では、入通院をして治療した場合の対象日数として、次のどちらか短いほうが採用されます。

① 「実際の治療期間」
② 「実際に治療した日数 × 2」

※たとえば治療期間が1か月(30日)で、3日に1回通院した場合は次のように考えます。

① 4300円 × 30日 = 129,00円
② 4300円 × (10日 × 2)
= 86,000円

したがって、入通院慰謝料は20日分の86,000円が採用されることになります。

☑後遺症のない傷害(ケガ)に対する自賠責保険金の上限は120万円です。

そのため、治療費や入通院慰謝料などで上限を超えてしまう場合がありますが、その際は上限を超えた金額分を加害者側の任意保険会社に請求していくことになります。

<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算出方法>
☑弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料については、「損害賠償額算定基準」(日弁連交通事故相談センター東京支部刊)という本に記載されている算定表を使います。

☑ケガの程度・状態に応じて「軽傷用」と「重傷用」の2種類の算定表があります。

「弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料
(むち打ちなど軽傷)の算定表」

「弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料
(重傷)の算定表」

☑たとえば鼻を負傷して、ケガの治療のために1か月入院して、3か月通院した場合、重傷用の表の「入院1か月」と「通院3か月」が交わったところを見てください。

「115」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は、115万円になります。

また、「入院なし」で「通院1か月」の場合は、軽傷用の表の交わった部分を見てください。

19万円になるので、前述した自賠責基準で算定した慰謝料の2倍以上の金額になることがわかります。

<後遺障害慰謝料の算出方法>
☑交通事故で後遺症が残り、後遺障害等級が認定された場合、その等級に応じて支払われるのが後遺障害慰謝料です。

☑鼻のケガによる後遺症の精神的苦痛の程度は、事故ごと被害者ごとで違うため、各事案によって判断するのが難しく、また膨大な時間がかかってしまいます。
すると被害者の方への慰謝料の支払いが滞るなどの不具合が生じてしまいます。
そうした状況を避けるためにも、後遺障害慰謝料の相場金額が次の表のようにあらかじめ設定されています。

☑これは、あくまでも相場です。そのため、それぞれの事故の状況によっては金額がアップする可能があります。

慰謝料の計算例と基準の違いによる金額の差について


後遺障害等級9級5号が認定された場合の概ねの慰謝料額と基準による違いについて見てみます。

たとえば、入院1か月(30日)、その後、通院6か月(実際の通院日数70日、平均して週に2~3回の通院)の場合の概ねの慰謝料額は次のようになります。

「聴覚障害(後遺障害等級4級3号)した場合の慰謝料の相場金額」

自賠責基準 裁判基準
入通院慰謝料 86万円 113万円
後遺障害慰謝料 249万円 690万円
合計 335万円 803万円

ここで注目していただきたいのは、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では約470万円もの違いがあることです。

弁護士(裁判)基準での解決が重要なことが、おわかりいただけるのではないでしょうか。

注意したい嗅覚障害と逸失利益の関係


交通事故の損害賠償で被害者の方が受け取ることができるものの1つに「逸失利益」があります。

逸失利益とは、交通事故の被害にあわなければ将来的に得られたであろう利益(収入)のことで、次の計算式で算定します。

基礎年収額 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数 = 後遺障害逸失利益

前述のように、嗅覚障害は、嗅覚脱失と嗅覚減退で、それぞれ後遺障害等級12級相当と14級相当が認定される可能性があります。

嗅覚は人間が生きていくうえでは、とても大切なものですが、これが労働能力とどう関係するか、つまり労働能力をどの程度喪失するのかについては、判断が難しい場合があります。

そのため、加害者側の任意保険会社が被害者の方の労働能力喪失率を低く見積もったり、認めないことで、逸失利益を否定してくることがあり、示談交渉や裁判での争点になることも多いのです。

実際、過去の裁判例では、嗅覚障害による逸失利益を認めたものと否定したものの両方があります。

この場合、被害者の方が単独で保険会社と交渉したり、訴訟を提起するのは難しいと言わざるを得ません。

ですから、逸失利益でトラブルになった場合、お困りの場合は一度、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめしています。

みらい総合法律事務所の慰謝料増額解決事例


最後に、さまざまな事例の中から、みらい総合法律事務所で実際に解決した、慰謝料や逸失利益など損害賠償金の増額事例をご紹介します。

加害者側の任意保険会社は、どのくらいの金額を提示してくるのか。

そして、弁護士が交渉に入ると、いくらくらい増額するのか。

ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。

解決事例① :46歳女性の嗅覚脱失で慰謝料等が約11倍に増額
交通事故の被害にあった46歳女性が、嗅覚脱失の後遺症を残して症状固定しました。

後遺障害等級は12級が認定され、加害者側の任意保険会社は損害賠償金として約89万円を提示。

この金額が妥当なものかどうか確認するため、被害者女性がみらい総合法律事務所の無料相談を利用。
弁護士の説明に納得がいったため、示談交渉を依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉したところ、逸失利益が争点になりました。

保険会社は、被害者の方が主婦であることを理由に低い金額を主張してきたからです。

粘り強く交渉したところ、最終的には弁護士の主張を保険会社が受け入れ、約985万円で解決した事例です。

当初提示額から約11倍に増額したことになります。

解決事例 ②:49歳女性の嗅覚障害で慰謝料等が約2.89倍に増額
49歳女性(兼業主婦)が夜間、車道の左側を歩行中、直進車に正面から衝突された交通事故です。

治療費を受け取りながら治療を続けましたが症状固定。

被害者女性には嗅覚脱失と味覚脱失の後遺症が残り、後遺障害等級は嗅覚脱失で12級が認定されました。

加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金額として約276万円を提示。

被害者女性は、なぜ味覚障害では後遺障害等級が認定されないのか、示談金額は適切なのかといった疑問を感じ、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。

弁護士が保険会社と交渉したところ、最終的には約2.89倍増額の800万円で解決した事例です。

解決事例 ③:18歳男性の嗅覚障害で慰謝料等が約5倍に増額
18歳男性が頭部外傷などの傷害を負った交通事故。

治療のかいなく、症状固定して後遺症が残ってしまい、後遺障害等級は嗅覚脱失で12級が認定されました。

加害者側の任意保険会社は慰謝料などとして、約264万円を提示。

これは、「嗅覚脱失は労働能力に影響はない」として逸失利益を否定してきたものでした。

被害者の方は自分で解決するのは困難と判断し、みらい総合法律事務所に示談解決を依頼。

弁護士が保険会社と交渉し、最終的には逸失利益を認めさせることができ、1350万円で解決となった事例です。

当初提示額から約5倍に増額したことになります。

その他の解決事例はこちらから

このように、示談交渉では交通事故に強い弁護士が被害者の方の代理として交渉に入ることで、慰謝料や逸失利益などがかなり増額することが多くあります。

後遺障害等級や損害賠償金、示談交渉などでお困りの場合は、まずは一度、弁護士に相談してみてください。

安心を手に入れることができるはずです。

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