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交通事故で3ヶ月通院した場合の慰謝料はいくら?相場・計算例・増額のポイント

最終更新日 2026年 07月08日

交通事故で3ヶ月通院した場合の慰謝料はいくら?相場・計算例・増額のポイント

この記事を読むとわかること

交通事故でケガをして3ヶ月ほど通院を続けていると、「自分の慰謝料はいくらになるのだろう」と気になり始める方は少なくありません。とくにこの時期は、保険会社から治療費の打ち切り(治療の終了)を打診されたり、示談金の話が出始めたりすることもあり、不安を感じやすいタイミングです。

慰謝料の金額は、どの「基準」で計算するかによって大きく変わります。同じ3ヶ月通院でも、自賠責保険の基準で計算するか、弁護士が使う基準で計算するかで、数十万円単位の差が出ることも珍しくありません

この記事では、次のことがわかります。

  • 交通事故で3ヶ月通院した場合の
    慰謝料の相場(基準別の目安)
  • 自賠責基準・弁護士基準それぞれの
    具体的な計算例
  • 同じ3ヶ月でも慰謝料が変わる理由と、
    増額のためのポイント
  • 3ヶ月の時点で多い「治療費の打ち切り」
    への対処の考え方

交通事故で3ヶ月通院した場合
の慰謝料はいくら?

はじめに結論をお伝えすると、交通事故で3ヶ月(約90日)通院した場合の「入通院慰謝料」の目安は以下のようになります。

計算基準 3ヶ月通院の目安
自賠責基準 おおよそ26万〜39万円
(通院回数によって変動)
弁護士基準
(むち打ち
など)
約53万円
弁護士基準
(骨折など)
約73万円

ただし、これはあくまで通院期間だけを見たときの目安です。実際には通院の回数やケガの程度によって金額が変わります。まずは、なぜ基準によってこれほど差が出るのかを整理しておきましょう。

慰謝料の計算には
3つの基準がある

交通事故の慰謝料(入通院慰謝料)には、代表的な3つの計算基準があります。

  • 自賠責基準:自賠責保険で使われる、
    最低限の補償を定めた基準
  • 任意保険基準:各保険会社が独自に
    定める基準で、金額は非公開
  • 弁護士基準:過去の裁判例をもとにした
    基準
    裁判基準とも呼ばれます

一般的に、金額の大きさは 「自賠責基準 ≦ 任意保険基準 < 弁護士基準」 の順になります。保険会社が最初に提示してくる金額は、低い方の基準(任意保険基準)で計算されていることが多いです。

入通院慰謝料は、原則として事故発生から「症状固定(しょうじょうこてい)」に達するまでの期間をもとに計算します。

症状固定とは、「これ以上治療を続けても、症状のこれ以上の改善が見込めない」と医師が判断した状態のことです。この症状固定を迎えたタイミングで、入通院慰謝料の計算対象となる期間が終了します。

3ヶ月通院の慰謝料相場
(基準別の目安)

3ヶ月通院した場合の入通院慰謝料の目安を、基準ごとに整理すると次のようになります。

  • 自賠責基準:約26万〜39万円
    (実際の通院回数によって変動)
  • 任意保険基準:非公開
    (自賠責基準と弁護士基準の間)
  • 弁護士基準(むち打ち等の軽傷)
    約53万円
  • 弁護士基準(骨折などの重傷):約73万円

このように、同じ3ヶ月という通院期間であっても、適用される基準によって最大で数十万円もの大きな差が生まれます。

では、なぜこれほど金額に違いが出るのでしょうか。次の章で、それぞれの具体的な計算方法を詳しく見ていきましょう。

3ヶ月通院の慰謝料は
どう計算する?基準別の計算例

慰謝料の金額は、基準ごとに計算の考え方がまったく異なります。ここでは、被害者の方がご自身のケースをイメージしやすいよう、自賠責基準弁護士基準に分けて計算例を紹介します。

自賠責基準の計算方法と計算例

自賠責基準の入通院慰謝料は、1日あたり4,300円で計算します(2020年4月1日以降に発生した事故の場合。それ以前の事故は1日4,200円です)。

ポイントは、対象となる日数の数え方です。自賠責基準では、次の2つのうち少ない方の日数を採用します。

  • 治療期間(初診から治療終了までの日数)
  • 実際に通院した日数(実通院日数)×2

この2つを比べて少ない方に4,300円をかけるため、通院した回数が金額に直接影響します。実際に計算してみましょう。

【例1】3ヶ月(90日)の期間中、
30日通院した場合
A(治療期間):90日
B(実通院日数 × 2):30日 × 2 = 60日
少ない方の60日が計算対象になります。
60日 × 4,300円 = 25万8,000円
【例2】3ヶ月(90日)の期間中、
45日通院した場合
A(治療期間):90日
B(実通院日数 × 2):45日 × 2 = 90日
どちらも同じなので90日が計算対象になります。
90日 × 4,300円 = 38万7,000円

このように、通院回数が多いほど自賠責基準の慰謝料は高くなります(※ただし実通院日数を2倍した数が、治療期間の総日数を超えることはありません)。

また、自賠責保険には「傷害部分の支払い上限が合計120万円まで」という法律上の制限がある点にも注意が必要です。この120万円には、慰謝料だけでなく治療費や休業損害などもすべて含まれるため、通院が長引くと上限を超えてしまうケースが少なくありません。

弁護士基準(赤い本)の
計算方法と計算例

弁護士基準は、過去の裁判例をもとに作られた正当な基準です。実務では『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(通称「赤い本」)に掲載されている「算定表」を使って計算します。

この表には、ケガの度合いに合わせて次の2つの種類が用意されています。

別表Ⅰ(通常のケガ向け) 骨折や脱臼、手術が必要なケガなど
別表Ⅱ(むちうち等向け) レントゲンやMRIで異常が見つかりにくい
「他覚所見のない」ケガなど

3ヶ月通院した場合の弁護士基準の金額は、それぞれ以下のようになります。

ケガの程度 3ヶ月通院の目安
骨折などの重傷
(別表Ⅰ)
約73万円
むちうちなどの軽傷
(別表Ⅱ)
約53万円

たとえば先ほどの自賠責基準の【例1】(3ヶ月の期間中、30日通院したケース)と比べると、むちうちで弁護士基準なら約53万円となり、自賠責基準の25万8,000円との差は約27万円にのぼります

この差額こそが、弁護士に依頼して弁護士基準で交渉する大きな意味だといえます。

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同じ3ヶ月でも
慰謝料が変わる3つの要因

「3ヶ月通院すれば慰謝料は決まった金額になる」と思われがちですが、実際は同じ3ヶ月でも金額が変わります。主に、次の3つの要因が影響します。

1つずつ詳しく解説します。

通院の頻度・実通院日数

前章のとおり、自賠責基準では通院回数が金額に直結します。弁護士基準は原則として通院期間をもとにしますが、通院日数が極端に少ない場合には、実通院日数の3倍(別表Ⅰ)や3.5倍(別表Ⅱ)程度を通院期間の目安とすることがあるとされています。つまり、通院の間隔が空きすぎると、期間が3ヶ月あっても慰謝料が目安より低く見積もられることがあるということです。

ケガの程度(むちうち/骨折など)

弁護士基準では、むちうちなど他覚所見の乏しいケガは別表Ⅱ、骨折など画像で確認できるケガは別表Ⅰで計算します。3ヶ月通院の場合、別表Ⅱで約53万円、別表Ⅰで約73万円と、約20万円の差があります。同じ通院期間でも、ケガの内容によって使う表が変わる点を押さえておきましょう。

どの基準で交渉するか

もっとも大きく金額を左右するのが、どの基準で交渉するかです。保険会社が最初に提示する金額は自賠責基準に近いことが多く、そのまま受け入れると弁護士基準との差額を受け取れないまま示談が成立してしまう可能性があります。被害者ご自身での交渉では弁護士基準が認められにくいのが実情で、弁護士が代理人となることで弁護士基準に近づけやすくなります(弁護士が代理人となっても保険会社が譲歩しないことがあり、その場合は訴訟をするかどうか検討していくことになります。)。

3ヶ月通院の時期に
やってはいけない3つのこと

交通事故から3ヶ月ごろは、示談や治療の方針に関する重要な判断が増える時期です。慰謝料で損をしないために、避けたい対応を3つに整理しました。

1つずつ詳しく解説します。

自己判断で通院をやめる・
通院間隔を空ける

まだ痛みが残っているのに自己判断で通院をやめたり、通院の間隔を大きく空けたりすると、慰謝料の計算上不利になることがあります。医師と相談しながら、必要な治療は継続することが大切です。

保険会社の提示額を
そのまま受け入れる

保険会社の提示額は、多くの場合、弁護士基準より低い水準です。提示された金額が妥当かどうかは、弁護士基準での目安と比べて判断することをおすすめします。一度示談が成立すると、原則としてやり直しはできません

治療費の打ち切りに安易に応じる

事故から3ヶ月前後は、保険会社から「そろそろ治療費の支払いを終了します」と打診されることがある時期です。しかし、治療を続ける必要があるかどうかを判断するのは、本来は医師です。まだ症状が残っている場合は、医師の意見を確認したうえで、打ち切りの延長を交渉できる余地があります

3ヶ月通院の慰謝料を
増額するためのポイント

適正な慰謝料を受け取るために、被害者の方が意識しておきたいポイントを整理します。

第一に、弁護士基準での交渉を目指すことです。前述のとおり、比較的軽い傷害の場合でも自賠責基準と弁護士基準では数十万円の差が出ることがあります。

第二に、むちうちなどで症状が残っている場合は、後遺障害等級(たとえば14級など)が認定される可能性を検討することです。後遺障害が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できる場合があります。

第三に、ご自身やご家族の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていないかを確認することです。付いていれば、多くのケースで自己負担なく弁護士に依頼できます。

よくある質問

Q. 交通事故で3ヶ月通院した
場合の慰謝料はいくらですか?

A. 自賠責基準では通院回数により、あくまでおおよそですが、26万〜39万円、弁護士基準ではむちうち等で約53万円、骨折など通常のケガで約73万円が目安です。どの基準で計算するかで金額が大きく変わります。

Q. 3ヶ月で治療費を打ち切ると
言われました。
応じるべきですか?

A. まだ症状が残っている場合は、医師の判断を確認することが大切です。治療の必要性が認められれば、打ち切りの延長を交渉できる余地があります。自己判断で通院をやめないようにしましょう。

Q. 通院日数が少ないと
慰謝料は減りますか?

A. 自賠責基準は実通院日数が金額に直結します。弁護士基準でも、通院日数が極端に少ないと期間より低く見積もられることがあります。医師と相談のうえ必要な通院を続けることが大切です。

Q. むちうちで3ヶ月通院した
場合の相場は?

A. むちうちは弁護士基準の別表Ⅱで計算され、3ヶ月で約53万円が目安です。ただし通院頻度や後遺障害の有無によって金額は変わるため、個別の状況に応じた確認をおすすめします。

まとめ

交通事故で3ヶ月通院した場合の慰謝料は、自賠責基準で約26万〜39万円、弁護士基準でむちうち等約53万円・骨折など約73万円が目安です。同じ3ヶ月でも、通院の頻度・ケガの程度・どの基準で交渉するかによって金額は変わります。

とくにこの時期は、治療費の打ち切りや示談の打診をされることがあるため、提示額をそのまま受け入れる前に、弁護士基準での目安と比べて判断することが重要です。慰謝料が適正かどうか不安な場合は、早めに専門家へ相談することで、受け取れる金額を大きく損なうリスクを減らせます。

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監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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