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高額慰謝料を勝ち取った6つの交通事故の裁判例

最終更新日 2024年 02月18日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

交通事故の被害者には、加害者に対して慰謝料を請求する権利があります。

しかし、慰謝料を手にするためには、やらなければいけない煩雑な手続きがあり、しかも正しい額の慰謝料を受け取ることができないケースが多くあるという問題もあります。

なぜ、被害者は正しい慰謝料を手にすることができないのでしょうか?

どうすれば、慰謝料の増額を勝ち取ることができるのでしょうか?

今回は、交通事故で後遺障害を負ってしまった場合の慰謝料について、高額慰謝料が認定された判例を紹介します。

後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料とは、精神的に被った苦痛に対して償うものですから、本来は事故ごと、被害者ごとにその程度は異なるはずです。

しかし、人の心の中を見て、それぞれの事案によって判断することはできないため、概ね相場が決められています。

後遺障害慰謝料の裁判基準による相場金額は次の通りです。

後遺障害等級 慰謝料

等級 保険金額
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

なお、すでに保険会社から提示があった場合は、「損害賠償の内訳書」をよく見てください。

「後遺障害」の部分が「逸失利益」と「後遺障害慰謝料」に区分されていればいいのですが、一括して損害額が計算されているような場合は問題があります。

また、多くの場合、上記の金額より低い金額が提示されていると思いますが、いずれの場合も、その金額は正しいものではありません。

被害者個人では、加害者側の保険会社との示談交渉が難しいと感じたならば、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

後遺症慰謝料が増額される場合

慰謝料には相場があるとはいえ、場合によってはその基準を超える判決がなされることがあります。

それは、次の3つのケースです。

・通常の場合に比べ精神的苦痛の程度が大きいと判断される場合

・他の損害項目に入らないものを慰謝料で斟酌(しんしゃく)しようとする場合

・被害者に特別の事情がある場合

それぞれ詳しく見ていきます。

(1)通常の場合に比べ精神的苦痛の程度が大きいと判断される場合

加害者側の過失の大きさや、事故後の態度の悪さなどにより、事故に対する被害者の精神的苦痛が増大したと認められる場合は、次のような事情が斟酌され、慰謝料が増額されることがあります。

なお、斟酌とは、事情や心情をくみ取ることです。

「加害者の過失の大きさ」

①飲酒運転
②スピードオーバー
③居眠り
④無免許
⑤信号無視
⑥未必的故意
⑦脇見運転

「加害者の事故後の態度の悪さ」

①不自然、不合理な供述(否認)
②謝罪なし
③証拠隠滅(同乗者に虚偽証言強要、事故後に飲酒等)
④救護せず
⑤逃走、ひき逃げ、逃走しようとする
⑥加害者側からの訴訟提起
⑦被害者に責任を転嫁するような言動

これらの事実がある場合は、迷わず慰謝料増額事由を主張して、増額賠償を勝ち取らなければなりません。

なぜ被害者が主張しなければいけないのかというと、民事訴訟では「弁論主義」というものがあり、主張しない以上、裁判所は取り上げてくれないからです。

(2)他の損害項目に入らないものを慰謝料で斟酌しようとする場合

たとえば、次のようなケースでは裁判所は後遺症逸失利益を認めず慰謝料を増額することで、結果としての賠償額のバランスを取ろうとすることがあります。

・接客業の女性の外貌醜状事案や歯牙傷害事案
・生殖機能障害や嗅覚障害等で後遺障害が認定されても、後遺症逸失利益が算定しにくいような事案

これは、法的に「慰謝料の補完的作用」と呼ばれるものです。
なお、逸失利益とは、交通事故で後遺障害を負わなければ仕事などで得られていたはずの利益のことです。

また、将来的に手術を行なうことは確実であるが、どの程度の時期に、どのくらいの費用がかかるのか現時点では不明であり、さらに手術により失われる労働能力も判然としない場合にも、それら損害は認めず慰謝料を増額することにより、結果としての賠償額のバランスを取ろうとすることがあります。

(3)被害者に特別の事情がある場合

後遺障害を負ったことで、被害者が次のような状況になった場合、被害者に特別の事情があり、通常の場合に比べて被害者の無念さがより大きいものと認められ、慰謝料が増額されることがあります。

①人工妊娠中絶
②将来、音楽教師になる夢を持ち努力したことが水の泡となった
③被害者の子が重度の肢体不自由児であったが、事故により子の訓練介護ができなくなり、子の身体機能に後退が見られた
④婚約破棄
⑤離婚

これらの事案は類型化できませんが、被害者側に何らかの特別事情があった場合には、裁判所は杓子定規ではなく、事案に応じた慰謝料を認定してくれることを示しています。

ですから、慰謝料が増額するような事情がある場合は、被害者は裁判を起こして、その理由を主張する必要があるのです。

その際には、交通事故問題に精通した弁護士が強い味方になってくれますので、一度相談してみることをお勧めします。

【参考記事】
交通事故の慰謝料を相場金額以上に増額させる方法

後遺障害で高額慰謝料が認められた裁判例を解説

ここでは、高額慰謝料が認められた判例を解説しますので、参考にしてください。

①慰謝料が3800万円が認定された裁判例

28歳男子の原告が、2006(平成18)年1月15日午後4時6分頃、京都市中京区内の交差点を自動二輪車で直進中、右折してきた被告が運転する、被告会社所有のタクシーと衝突し、遷延性意識障害で自賠責後遺障害等級1級3号の後遺障害を負った交通事故です。

原告は、既払金を控除して3億4053万4372円、両親は各550万円を求めて訴えを提起しました。

裁判所は、「本件事故発生の原因たる過失の大半は被告側にあり、このことは事故類型からも被告らにおいて容易にその内容を知ることができたし、被告会社所有のドライブレコーダーはじめ、関係証拠からも疑う余地が乏しいにもかかわらず、被告らが過失責任を一切否認する態度を、本件訴訟の口頭弁論終結時に至るまで、ほぼ一貫して取っていることは、慰謝料の加算増額の理由となり得る事情ではあるが、原告が主張する金額を考慮すると、その金額の通り、傷害慰謝料は440万円、後遺障害慰謝料は2800万円、両親の慰謝料額は各500万円とするのが相当である」と認定しました。

この当時の慰謝料の相場は、2800万円のところ、合計3800万円が認められています。

【京都地裁 平成24年10月17日判決、出典:自保ジャーナル・第1893号】

②慰謝料が3800万円認定された裁判例

12歳の弟が運転していた大人用自転車の荷台のない後部に13歳女子中学生が立ち乗り同乗中、T字路交差点に左折進入して被告が運転する乗用車に衝突され、脳挫傷等を受傷した交通事故。

約1年2ヵ月後、症状固定し、自賠責後遺障害等級1級1号が認定され、常時介護を要する後遺障害を残したことから、既払金880万円を控除して1億2311万6117円、両親は各375万円の慰謝料を求めて訴えを提起しました。

裁判所は、「12歳の弟が運転していた大人用自転車の荷台のない後部に立ち乗り同乗していたこと、ヘルメット不着用で脳挫傷を負ったこと等から原告の乗車姿勢は極めて危険で、これが重大な障害を残す原因になった」として、45%の過失相殺を適用して、入通院分400万円、後遺障害分2800万円、両親分各500万円を認めました。

この当時の後遺障害部分の慰謝料の相場は2800万円だったところ、合計3800万円を認めたものです。

【金沢地裁 平成18年10月11日判決、出典:自動車保険ジャーナル・第1705号】

③慰謝料が5000万円認定された裁判例

1988(平成元)年4月13日午後10時30分頃、夜食を買うために乗車定員4人の原告所有の自動車に6人が乗車し、酒に酩酊した同僚が運転して起こした交通事故です。

静岡県浜名郡内を進行中、大型貨物車と正面衝突し、原告は頭蓋亭骨折、遷延性意識障害等で637日間入院の後、自賠責後遺障害等級1級3号相当の精神・神経障害を残しました。

そこで、損害の填補を控除して1億6951万0668円を求めて訴えを提起しました。

裁判所は、酩酊していることを承知で同僚に運転することを許した被害者に対して、3分の1の飲酒承知同乗減額を適用し、総額1億8406万9630円、慰謝料は5000万円を認定しました。

この当時の慰謝料の相場は2800万円であったところ、5000万円を認めたものです。

【名古屋地裁 平成7年1月25日判決、出典:自動車保険ジャーナル・第1097号】

死亡事故で高額慰謝料を認めた裁判例を解説

①慰謝料が4000万円認定された裁判例

30歳男子社員の被害者は、平成20年10月21日午前4時19分頃、歩行中、無免許、飲酒運転の自動車に死亡しました。

妻と子は人身障害保険より3000万円受領した後、各8747万3367円を求めて裁判を起こしました。

裁判所は、

・無免許飲酒運転であった上、逃走し、約2.9キロメートルもわたって故意に引きずる中で死亡させたものであり、その行為は、通常の交通事犯の範疇を超えて殺人罪に該当する極めて悪質かつ残酷なものであること

・被害者の肉体的精神的苦痛の甚大さ(引きずられながら絶命した被害者の苦痛苦悶は筆舌に尽くしがたいし、まだ30才にして養育すべき妻子を残して突然命を奪われた無念さは察するに余りあることなど)

を指摘し、被害者本人の慰謝料は3500万円、妻と子の固有の慰謝料は、各250万円と認めました。

当時の慰謝料相場は2800万円のところ、4000万円を認めたものです。

(大阪地裁平成25年3月25日判決、出典自保ジャーナル・第1907号)

②慰謝料が3900万円認定された裁判例

交差点の横断歩道上を青信号に従って横断走行中の17歳の男性の自転車に、信号を
無視した飲酒運転の普通貨物自動車が衝突した交通死亡事故です。

被害者の両親と妹は、約1億4600万円の支払いを求めて裁判を起こしました。

裁判所は、加害者が10年以上無免許で通勤にも車使用、飲酒運転が常態化し、本件事故時も無免許飲酒運転であったこと、衝突後被害者を「危ない」と怒鳴りつけるなどを指摘し、死亡慰謝料として本人分3000万円、両親、妹各300万円、合計3900万円を認めました。

当時の慰謝料相場2000万円~2200万円だったところ、3900万円を認めたものです。

(大阪地裁平成18年2月16日判決、出典:交民集39巻1号205頁)

③慰謝料が3600万円認定された裁判例

37歳男子が、平成15年8月10日午後2時40分ころ、自動車を運転中、加害自動車が中央線を越えてきて正面衝突して被害者が死亡した交通事故です。

裁判所は、加害者が、無免許、飲酒、居眠り運転で対向車線へ進出、被害者車両と正面衝突して死亡させ、同乗していた一家全員に重傷を負わせ、救助しなかったばかりか、運
転者について虚偽の供述を同乗者に求める等の事情を認定しました。

その上で、死亡慰謝料本人分2500万円、妻300万円、長女、二女、長男各200万円、父母各100万円、計3600万円の慰謝料を認めました。

当時の慰謝料相場2800万円のところ、3600万円を認めたものです。

(さいたま地裁平成19年11月30日判決、出典:自動車保険ジャーナル・第1782号)

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ここまで、交通事故で後遺障害を負った場合の慰謝料について解説しました。

保険会社は、適正な金額を示談金として提示してくれると思っている人がいるかもしれません。

しかし、それは、間違いです。

・実は、任意保険会社から提示される慰謝料は、多くの場合被害者が手にすることができる適切な金額よりも低い。

【参考記事】
交通事故の慰謝料はいくらもらった?保険会社の提示額が安すぎる理由とは

・慰謝料が増額される条件はさまざまあるが、実際に認定されるためには法的な立証・主張が必要である。

これらの理由や、前述の判例からも、被害者が単独で加害者側の任意保険会社と示談交渉したり、裁判で闘って正しい慰謝料を勝ち取ることは、並大抵のことではないことがおわかりいただけたと思います。

このような場合は、一度、弁護士に相談してみることをお勧めします。

詳しい解説はこちら⇒
「交通事故を弁護士に相談すべき7つの理由と2つの注意点」
https://www.jikosos.net/basic/basic6/bengoshi

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