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あ行の交通事故の解説用語

交通事故に関する「あ行」の用語の解説ページです。

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あ
赤い本(あかいほん)

赤い本(あかいほん)とは、日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年改訂して発行している『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』の通称。表紙が赤いことからこう呼ばれている。

東京地裁の実務に基づく損害賠償額の算定基準と、参考となる裁判例がまとめられており、慰謝料や逸失利益などの損害額を算定する際に、弁護士が交渉や訴訟で用いる「弁護士基準(裁判基準)」の代表的な参照資料となっている。

現在は上巻の「基準編」と下巻の「講演録編」のセットで、下巻には東京地裁民事第27部の裁判官による講演録のほか、一般講演録や交通事故実務に関する記事などが収められている。裁判官の講演録からは、交通事故訴訟における実務上の考え方や問題意識を知ることができ、実務上重要な参考資料となっている。

似た性格の本に、日弁連交通事故相談センター本部が発行する青本(『交通事故損害額算定基準』)がある。赤い本が東京地裁の実務に基づいて賠償額の基準を示しているのに対し、青本は算定基準とその解説を中心に、全国の参考となる裁判例を掲載している点などに違いがある。

なお、過失割合の判断では、別冊判例タイムズ39号『民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準〔全訂6版〕』も代表的な参照資料として用いられる。これは赤い本や青本とは別の書籍であるが、赤い本にも過失相殺に関する基準が掲載されている。

当て逃げ(あてにげ)

当て逃げ(あてにげ)とは、一般的に、車や建物などの物を壊す事故を起こしておきながら、危険を取り除く措置も警察への届出もしないまま、その場を離れることをいう。
道路交通法は、事故に関係した運転者に対し、直ちに車を止めて危険を防ぐなどの必要な措置をとることと、警察に事故の状況を報告することを義務づけている。これらの義務に違反すると、行政処分の対象となるほか、刑事罰の対象となる。

人が負傷した事故で救護義務を怠ると、ひき逃げとして責任を問われることがある。その場ではケガがないように見えても、後日、事故による負傷が判明する場合があるので注意が必要である。

なお、道路に当たらない場所では、この義務が及ばない場合があるが、故意・過失によって相手の車などに損害を与えた場合には、民事上の賠償責任は残る。

い
異議申立て(いぎもうしたて)

異議申立て(いぎもうしたて)とは、自賠責保険の後遺障害等級の認定結果に納得できないときに、あらためて判断を求める手続きのこと。

被害者請求の場合は自賠責保険会社・共済組合に、事前認定の場合は加害者側の任意保険会社を通じて申し立てる。損害調査を行う損害保険料率算出機構で再度調査・審査され、異議申立事案の多くは、弁護士や専門医など外部の専門家が参加する自賠責保険(共済)審査会でも検討される。

異議申立ての回数に制限はなく、何度でも申し立てることができる。ただし、同じ資料や同じ主張を繰り返すだけでは結論が変わる可能性は低い。非該当や低い等級となった理由を確認し、それに対応する新たな資料を提出できるかが重要になる。新たな検査結果や医師の意見書、症状の経過を示す診療記録などがその例となる。

異議申立て自体について独立した申立期限は定められていないが、自賠責保険への被害者請求権には時効がある。後遺障害については、原則として症状固定日の翌日から3年以内とされているため、時効を意識して手続きを進める必要がある。

このほか、自賠責保険・共済紛争処理機構に判断を求める方法や、訴訟で争う方法もある。紛争処理機構への申請は同じ事案について一度限りであるため、どの手続きを選ぶかは、新たな資料の有無や時効までの期間などを踏まえて検討する必要がある。

慰謝料(いしゃりょう)

慰謝料(いしゃりょう)とは、交通事故によって受けた精神的な苦痛(心のダメージ)に対する損害賠償金のこと。

法律専門家ではない者の場合では、「示談金」と同じ意味で使われることがあるが、正確には「損害賠償金」の中に含まれる1つの項目。

交通事故の慰謝料には主に、けがによる精神的苦痛に対する傷害慰謝料(入通院慰謝料)、後遺障害が残った場合の後遺障害慰謝料、死亡事故の場合の死亡慰謝料がある。

死亡事故では、被害者本人の慰謝料に加えて、遺族固有の慰謝料が認められることもある。

慰謝料の金額は、けがの程度や入通院期間、後遺障害の等級などによって決まり、算定には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判基準)などの基準が用いられる。

逸失利益(いっしつりえき)

逸失利益(いっしつりえき)とは、交通事故に遭わなければ将来得られたはずの収入(利益)のことで、交通事故による死亡や後遺障害のために、働く能力が失われたり低下したりしたことに対する補償のこと。

主に後遺障害が残った場合、または死亡した場合に本来得られたはずの将来の収入(事故前に働いていた人は事故前年度の年収を基本とする。)をもとに逸失利益が計算され、損害賠償として請求することができる。

金額は将来の収入の蓋然性・労働能力喪失期間などを考慮して算出される。

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