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さ行の交通事故の解説用語

交通事故に関する「さ行」の用語の解説ページです。

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裁判基準(さいばんきじゅん)

弁護士基準と同じ意味の用語。

死亡慰謝料(しぼういしゃりょう)

死亡慰謝料(しぼういしゃりょう)とは、交通事故によって亡くなられた被害者本人の精神的苦痛に対して支払われる慰謝料のこと。

金額は、被害者の家族構成や立場(一家の支柱だったか、独身者かなど)を考慮して算定される。

慰謝料額の算定には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判基準)などの基準が用いられ、弁護士基準で算定するのが最も高額になる傾向がある。

また、被害者本人(相続人が請求)に加え、父母・配偶者・子などの近親者も固有の慰謝料を請求できる場合がある。これを一般に近親者慰謝料という。

就労可能年数(しゅうろうかのうねんすう)

交通事故の損害賠償額算定における就労可能年数(しゅうろうかのうねんすう)とは、交通事故による死亡や後遺障害がなければ将来にわたって働くことができたと想定される年数のこと。

交通事故の損害賠償では、逸失利益(交通事故に遭わなければ将来得られたはずの収入)を計算する際に使われる。

日本の実務では原則として67歳まで働けると想定し、「67歳 - 事故時の年齢」で算出する。

また、事故時にすでに65歳を超えている場合などは、「67歳までの残りの年数」ではなく、簡易生命表に基づいた「平均余命の2分の1」を認めるなど、個別の調整が行われる。

医師や弁護士などの専門職や、定年がない自営業者は一般的な労働者よりも長く働く傾向があるなどの理由から、「67歳以降」も働く能力があったと認められて期間が延びるケースもある。逆に、幼い子供の場合は「18歳(または大学卒業時の22歳)から67歳まで」として計算する。

症状固定(しょうじょうこてい)

症状固定(しょうじょうこてい)とは、治療を続けてもこれ以上改善が見込めないと医師が判断した状態のこと。「完治」とは異なり、治療しても良くも悪くも大きく変わらない状態になった区切りのことをいう。

症状固定を迎えると、それ以降の治療費は原則として加害者(保険会社)側に請求できなくなる。

症状固定日を境に、それまでの損害(入通院慰謝料、治療費、休業損害など)が確定し、それ以降に発生する損害は「後遺障害(逸失利益、後遺障害慰謝料)」の対象へと切り替わる。

症状固定の時期については、受傷時の状況や実施された治療内容、通院実績とともに、症状に一貫性があるか、あるいは改善の傾向(漸減)が見られるかといった医学的経過に基づいて総合的に認定される。

事前認定(じぜんにんてい)

事前認定(じぜんにんてい)とは、加害者側の任意保険会社に、自賠責後遺障害等級認定の手続きを任せる方法のこと。

被害者は「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」を保険会社に送るだけで済み、その他の必要な資料(画像データや通院記録など)の収集はすべて保険会社が代行してくれるため、負担が少ないのがメリット。
ただし、保険会社がどのような資料を添えて申請したか被害者側からは確認できないため、本来必要な資料が不足して適切な等級が認められないといったことが発生するリスクがある。

負担なく楽に進めたいと思うのであれば事前認定が向いているが、「納得のいく等級を認定してもらうために自分で証拠をしっかり揃えたい」という場合は、自分で行う「被害者請求」が推奨される。

示談金(じだんきん)

示談金(じだんきん)とは、交通事故の加害者と被害者が、裁判所を通さずに話し合いによって、加害者側が被害者に対して支払うことを合意した金銭の一般用語。
法律上の性質は「損害賠償金」だが、一般的には示談によって金額が確定するため「示談金」という言葉が広く使われている。
示談金には、主に治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益、修理費などが含まれ、交通事故の状況や過失割合、被害の程度によって金額は異なる。

自賠責基準(じばいせききじゅん)

自賠責基準(じばいせききじゅん)とは、交通事故の被害者に対して、強制保険である「自賠責保険」から支払われる損害賠償額を算定する際の基準のこと。

交通事故の損害賠償の計算方法には主に、自賠責基準・任意保険基準・裁判基準(弁護士基準)の3つの算定基準があり、一般的には自賠責基準が最も低い水準になる。

自賠責保険は交通事故の被害者を最低限救済するための制度であるため、補償額は比較的低く設定されているのが特徴で、任意保険会社が示談交渉で提示する金額や、裁判で認められる金額より低くなることが多いとされている。

また、自賠責保険には以下のような支払限度額がある。

傷害(怪我) 120万円まで
後遺障害 75万円〜4,000万円(等級による)
死亡 3,000万円まで
傷害(怪我)
120万円まで
後遺障害
75万円〜4,000万円(等級による)
死亡
3,000万円まで

これを超える損害がある場合は、多くの場合、任意保険などで不足分が補われる。

また、自賠責保険からは、被害者に大きな過失(7割以上など。これを「重過失減額」と呼ぶ)がない限り、全額支払われる。

人損(じんそん)

人損(じんそん)とは、交通事故によって人が怪我をしたり死亡したりした場合の損害のこと。「車が壊れた」などの「物損」と対比して使われる。
人損は大きく分けて以下の3つに対する補償を指す。

・怪我の治療に関連する損害(診察代、入院費、通院交通費、休業損害など)
・後遺障害による損害(後遺障害慰謝料逸失利益、将来介護費など)
・死亡事故の損害(死亡慰謝料逸失利益、葬儀費用など)

ケガの治療だけでなく、後遺障害が残った場合や、亡くなってしまった場合の損害もすべて「人損」に含まれる。
一般的に物損よりも示談交渉が複雑になりやすく、賠償額も高額になる傾向がある。

遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)

遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)とは、交通事故などで脳に大きなダメージを受け、自力で動いたり意思疎通を図ったりすることが困難な状態が、長期間(一般的に3ヶ月以上)続いている状態のこと。一般的に「植物状態」とも呼ばれる。

目が開いていたり睡眠・覚醒のリズムがあっても、自分や周囲を認識することができず、意思疎通もできない状態のこと。自発的な呼吸や消化機能などは保たれていることが多い一方、食事・排泄・移動などすべての日常動作に将来にわたって常時介護が必要となるため、ほとんどが「後遺障害等級1級」に該当する。

これにより、慰謝料逸失利益に加えて将来介護費を長期にわたって請求できるため、賠償金は非常に高額になることが多い。

また、適切な補償を受けるためには医師の診断に加え、専門家による法的なサポートを受けることが重要である。

素因減額(そいんげんがく)

素因減額(そいんげんがく)とは、被害者がもともと持っていた「持病」や「身体的特徴」、「心の状態」などの要因によって損害が大きくなった場合に、その影響分を差し引いて損害賠償額を減らすこと。「損害の公平な分担」の考え方から、「事故の衝撃は小さかったが、持病のせいで大怪我になってしまった」という場合、その全てを加害者の責任にするのは不公平である、という考えに基づいている。

たとえば、追突事故でむち打ちになった際、「もともと首のヘルニアを持っていたから重症化した」として賠償金が削られるケースなどがある。

素因には、身体的な要因(持病・加齢・既往症)と、心理的な要因(被害者の性格や精神的な状態)がある。

しかしながら、単に持病があるというだけで必ず減額されるわけではなく、その疾患が「普通の人ならそこまで悪化しないはずの損害を明らかに拡大させた」と認められる場合にのみ適用される。

減額の割合は、医学的知見や裁判例を踏まえて個別に判断される。

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