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交通死亡事故の被害者遺族は損害賠償を請求することができる

これから死亡事故の慰謝料について解説しますが、動画で観たい方は、こちらにご登録ください。

 
大切な家族や愛する人を交通事故で亡くした遺族の方の悲しみは筆舌に尽くしがたいものです。

大きな悲しみの中、死亡事故の遺族の方は突然の不幸を前に何をどうすればいいのか途方に暮れてしまうものです。

しかし、家族や親族が交通事故で亡くなった場合、その瞬間から法的な問題が発生し、ご遺族にはやらなければいけないことができてしまいます。

それは、警察が進めている加害者の刑事手続への協力やご遺族(相続人)が加害者に対して行う損害賠償請求です。

交通事故の被害者は慰謝料を受け取る権利があるので、加害者に対して損害賠償請求をすることができます。

そして、死亡事故の示談交渉は、ご遺族が自分で行うのと、弁護士に依頼するのでは、結果が違ってくることもあります。

ここで、みらい総合法律事務所が実際に解決した事例を紹介します。

71歳女性が交差点を横断中、右折自動車に轢かれて死亡しました。

保険会社は、ご遺族に対し、慰謝料など示談金として、2475万3114円を提示しました。

その後、ご遺族はみらい総合法律事務所に依頼。

裁判を起こした結果、最終的に、5350万円で解決しました。

保険会社提示額が2475万3114円なので、金額にして約2870万円の増額。

約2.1倍に増額したことになります。

保険会社は決して適正な金額を提示してくれるものではない、という事実を認識してください。

通常は、葬儀を終え、49日が過ぎてから加害者が加入している任意保険会社の担当者と賠償金などの金額の示談交渉をしていくことになります。

ところで、みなさんは慰謝料、示談金、損害賠償金について、どのくらいご存知でしょうか?

ひょっとして、損害賠償金と慰謝料は同じものと思っていませんか?

では、交通死亡事故における損害賠償金と慰謝料は一体何が、どう違うのでしょうか?

 

慰謝料と賠償金の違いとは

じつは、交通死亡事故被害者の遺族が受け取ることができる損害賠償金には、さまざまな項目がありますが、主なものは次の通りです。

①葬儀関係費用
②死亡逸失利益(生きていれば得られたはずの収入)
③慰謝料
④弁護士費用(裁判をした場合)

これらの他にも、治療の後に死亡したような場合は、「治療費」、「付添看護費」、「通院交通費」等の実費を請求することができます。

また、損害賠償金を請求する際に必要となる「診断書」、「診療報酬明細書」、「交通事故証明書」等の文書を取得するためにかかった文書費用も、「損害賠償関係費」として請求できます。

つまり、損害賠償金には上記のようにさまざまな項目が含まれており、慰謝料はその一部だということです。

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交通事故で発生する3つの慰謝料とは?

そもそも、慰謝料とは何かといえば、簡単にいうと「精神的な苦痛を被ったことに対する損害賠償金」ということになります。

 
交通事故に関する慰謝料には、次の3つがありあます。

・傷害慰謝料
・後遺症慰謝料
・死亡慰謝料

傷害慰謝料

傷害慰謝料は、交通事故で外傷を受けたことに対する肉体的苦痛や入通院加療を余儀なくされることなどに対する煩わしさや苦痛を緩和するために支払われる金銭のことで、通院期間によって算出されます。

後遺症慰謝料

後遺症慰謝料は、治療が完了しても後遺症が残ってしまい、これ以上よくならない場合(これを症状固定といいますに)、その後遺症を負ったまま今後の人生を生きていくことに対する精神的損害を償うための賠償金のことです。

原則として、1~14級の後遺障害等級認定にしたがって算定されます。

第1級は2800万円、第2級は2370万円、第14級だと110万円となります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、被害者が死亡したことにより被った精神的損害で、被害者が置かれている状況によって、慰謝料の金額が異なってきます。

・一家の支柱の場合  2800万円
・母親、配偶者の場合 2500万円
・その他の方の場合  2000万~2500万円

一家の支柱の方が亡くなったときの慰謝料が高額なのは、遺族の扶養を支える人がいなくなることに対する補償のためです。

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死亡慰謝料は増額することがある

死亡慰謝料には、相場があるのですが、必ずその金額が認定されるわけではありません。

実は、死亡慰謝料が増額するケースもあります。それは、以下のような事情がある場合です。

①被害者の精神的苦痛がより大きいと思えるような場合
②被害者側に特別な事情がある場合
③その他の損害賠償の項目を補完するような場合

加害者の無免許、飲酒運転、赤信号無視などの悪質な行為を原因としたものだったり、事故後に救急車を呼ばずにひき逃げをしたり、事故後遺族に暴言を吐いたり、反省の態度がまったく見えないなどの事情があったりするような場合が挙げられます。

このような場合には、慰謝料増額事由を指摘して、慰謝料アップを目指していくことになります。

損害賠償金はいくらになるのか?

では、交通事故死の場合の損害賠償金は、一体どのくらいの金額になるのでしょうか?相場というものはあるのでしょうか?

実際に経験したことがない方がほとんどでしょうから、なかなか見当がつかないかもしれません。

そこで、ここでは70歳の主婦(夫と2人暮らし)の方が交通事故で死亡した場合をひとつの例として、賠償金とその相場について具体的に見ていきます。

葬儀関係費用

 

原則として150万円です。
実際にかかった金額が150万円より低い場合は、実際に支出した額となります。

死亡逸失利益

 

死亡逸失利益とは、被害者が交通事故で死亡したことにより、将来に労働により得られたはずの収入を得られなくなったために失われる利益のことです。

少し難しいのですが、死亡逸失利益は下記の計算式で算定できます。


基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

主婦の場合は実際の収入はありませんが、家事労働を行っているので、逸失利益は認められることを覚えておいてください。

・「基礎収入」とは、交通事故で死亡しなければ、将来に労働により得られたであろう収入のことで基準となるのは前年の年収です。

高齢の家事従事者の基礎収入については、裁判例をみると、次のように分かれています。

ⅰ)女性労働者の全年齢平均賃金としたもの
ⅱ)女性労働者の全年齢平均賃金から何割か減額した額としたもの
ⅲ)年齢別の女性労働者の平均賃金としたもの
ⅳ)年齢別の女性労働者の平均賃金から何割か減額した額としたもの

実際には、個別の事案ごとに被害者がどの程度、家事を行っていたかなど、具体的な事情を評価して決めることになりますが、今回のケースは上記ⅰの女性労働者の全年齢平均賃金を基礎収入とします。

なお、基礎収入は場合によっては減額されることもあるので注意が必要です。

・「生活費控除」とは生きていればかかったはずの生活費分を、基礎収入から差し引くことをいいます。

生活費控除率の目安は次のようになります。

被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合は40%
一家の支柱で被扶養者が2人以上の場合は30%
女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合30%
男性(独身、幼児等含む)の場合は50%

・「就労可能年数」は、原則として18歳から67歳までとされています。

ただし、職種、地位、能力等によって67歳を過ぎても就労することが可能であったと思われる事情がある場合には、67歳を過ぎた分についても認められる場合もあります。

今回のケースでは、平成23年の簡易生命表によると、70歳の場合の平均余命は14.93年となっているので、その2分の1である7年間について今後も家事労働を行うことができたと仮定します。

・「ライプニッツ係数(中間利息控除)」とは、損害賠償の場合、本来は将来に仕事をして受け取るはずであった収入を前倒しで受け取るので、将来の収入時までの年5%の利息を複利で差し引く係数のことです。

以上のことから、夫と2人暮らしの70歳の主婦の死亡逸失利益の計算式と金額は次のようになります。


3,641,200円(平成26年賃金センサス女性学歴計全年齢平均賃金)×(1-0.3)×5.7864(ライプニッツ係数)
=14,748,607円

なお、年金収入がある場合には、将来受給できたはずの年金額について、逸失利益として請求することができます。

ただし、遺族年金については、裁判例で逸失利益性が否定されています。

また、年金収入が逸失利益として認められる場合でも、年金は生活費として使われる場合が多いことを想定し、生活費控除率を高くする傾向にあるようです。

死亡慰謝料

 

慰謝料の額は、これまでの交通事故の民事裁判で認定された慰謝料額の総計などから相場が定められています。

弁護士が被害者遺族から依頼を受けて、加害者側と交渉や裁判を行う場合、損害賠償額を算定する際には通常、日弁連交通事故相談センターが出している書籍『民事交通事故訴訟損害賠償算定基準』(通称「赤い本」)を使用することになります。

この「赤い本」に書かれている基準を「裁判基準」といいます。

被害者が一家の支柱の場合は2800万円、母親・配偶者の場合は2500万円、その他(子供、成人独身者、高齢者等)の場合は2000万~2500万円が相場となっています。

今回のケースでは、被害者は70歳の高齢者なので、仮に慰謝料を2200万円とします。

なお、被害者本人の慰謝料とは別に、配偶者などの近親者の固有の慰謝料が認められる場合があります。

弁護士費用

 

損害賠償請求をするために弁護士に依頼して裁判を起こした場合は、請求認容額の10%程度が弁護士費用として認められます。

ここで認められる弁護士費用は、実際に支払う弁護士費用とは無関係です。

今回のケースでは、請求額は次のようになります。


1,500,000円(葬儀費)+14,748,607円(死亡逸失利益。年金除く)円+22,000,000円(慰謝料)=38,248,607円

ここから弁護士費用は、3,824,860円と算出できます。

以上のことから、70歳で夫と2人暮らしの主婦の方が交通事故で死亡した場合の損害賠償額の合計は次のようになります。


1,500,000円(葬儀費)+14,415,658円(死亡逸失利益)円+22,000,000円(慰謝料)+3,824,860円(弁護士費用)=42,073,467円

なお、私たちは被害者や遺族の方がご自分で損害賠償額を計算できるように、WEB上の自動計算機を設置しています。

個別の事情があるため完璧ではありませんが、一般論的な数字は算出できるので、ぜひ活用してください。

 

死亡事故は金額も大きいし、過失で争いになることも多く、複雑です。弁護士に相談しながら進めていくようにしましょう死亡事故は金額も大きいし、過失で争いになることも多く、複雑です。弁護士に相談しながら進めていくようにしましょう。


交通死亡事故の被害者遺族が弁護士に相談・依頼した方がいい理由

ここまで、交通死亡事故での被害者の遺族の方が手にすることのできる慰謝料などの賠償金の相場について見てきました。

ところで、最後にどうしてもお伝えしたいことがあります。

それは、遺族の方が弁護士に相談・依頼した方がいい理由についてです。

前述したように、損害賠償について遺族の方は、加害者側の保険会社の担当者と示談交渉をしていくことになります。

しかし、保険会社が示談の段階で提示してくる損害賠償額は裁判基準より低い金額の場合多いということです。

じつは、交通事故の損害賠償には、①自賠責基準、②任意保険基準、③弁護士基準の3つの基準があるのですが、保険会社はもっとも金額が低い自賠責基準で金額を提示してくることもあります。

自賠責基準は、被害者に対する最低限の補償であり、任意保険会社は自己資金を支出することなく、示談解決をすることができてしまいます。

任意保険基準は、各保険会社が定めていますが、適正な基準である弁護士基準よりは低い金額です。

しかし、本来の賠償金の適正金額は弁護士基準です。

自賠責基準で計算した慰謝料や任意保険基準で計算した慰謝料で示談してはいけないのです。

弁護士は、適正な計算基準である弁護士基準を元に損害賠償金額を算出し、ご遺族の方が納得のいく金額を手にするために示談交渉をしていくのです

現実を見ると、ご遺族の方は示談交渉ではなかなか思うような金額を引き出すことができません。

なぜなら、相手は保険のプロである保険会社の担当者なのですから、当然でしょう。

また、示談交渉は、当事者双方が合意しなければ成立しないので、保険会社側としては、「これで限界です」と言い続ければ、いつまでも示談が成立しないことになります。

しかし、弁護士が出てきたときは別です。低い金額では弁護士は示談しませんし、いつまでも増額しないと、すぐに裁判を起こされて、弁護士基準で払わざるをえなくなります。

また、裁判を起こされてしまうと、保険会社も弁護士に依頼しなければならなくなり、弁護士費用までかかってしまいます。

そこで、弁護士が示談交渉をすると、慰謝料が増額され、示談金額のアップにつながる、というわけです。

「大手の保険会社が提示する金額なのだから本当なのだろう」と思ってはいけません。

「弁護士に依頼するのは何だか気が引ける」などと躊躇してはいけません。

実際は、弁護士に依頼したほうが交渉はスムーズに進みます。

裁判になれば、ほとんどの場合で適正な相場の金額を勝ち取ることができます。

ご遺族の方は、悲しみを抱えたまま難しい賠償金の示談交渉をする必要はないのです。

ご遺族の方には、保険会社から提示された示談金額が相場に見合っているのか、本当に正しいのかどうかだけでも、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。

死亡事故の慰謝料など示談金額は、故人の命の値段です。

残されたご遺族が、低い示談金で我慢してしまった、ということを故人が知ったら、どう思うでしょうか?

「なぜ満額もらわなかったのか!?」

と怒られてしまうのではないでしょうか。

ご遺族は、故人の無念を晴らすためにも、適正な賠償金を獲得しなければならないのです。

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