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交通事故相談SOS | みらい総合法律事務所

10対0事故の示談金相場はいくら?怪我なし・怪我ありをケース別に解説

最終更新日 2026年 09月08日

過失割合10対0の交通事故の示談金の相場と示談交渉する際の注意点


交通事故の原因がすべて加害者にある場合、事故で生じた損害は全額補償してもらうことができますが、加害者が事故の全責任を認めるとは限りません

損害賠償金の額は過失割合によって変動しますし、過失割合が10対0となったとしても示談交渉はしなければなりませんので、適切な示談金を受け取るためには準備と対策が不可欠です。

過失割合が10対0の事故では、過失相殺による減額がないため、算定された損害額を全額受け取れます。ただし受け取れる金額は「怪我をしたかどうか」で大きく変わります。怪我がなければ修理費などの物的損害のみ、怪我があれば治療費・休業損害・慰謝料が加わります

本記事では、過失割合10対0の事故で受け取れる示談金の相場を、「怪我なし(物損事故)の場合」と「怪我あり(人身事故)の場合」に分けて解説します。

過失割合10対0とは?
示談金が減額されない事故のこと

過失割合は、交通事故が起きた責任の割合を数値で表したものです。

加害者に全面的に非がある交通事故は、被害者側の過失はゼロなので、過失割合は10対0となります。
10対0は「100対0」と表記されることもありますが、意味は同じです。加害者の責任が100%、被害者側の責任が0%という状態を指します。

被害者の過失が認定されてしまうと、過失分だけ加害者の責任が軽減(過失相殺)され、損害賠償金として受け取れる額は減少します。

逆にいえば、過失割合が10対0であれば、この減額が一切行われません。損害額が1,000万円なら1,000万円を、そのまま受け取れるということです。
そのため、交通事故の被害者は必要な補償を受けるためにも、被害者自身に過失がないことを示談交渉の場で示さなければなりません。

過失割合が10対0になる
主な事故のケース

交通事故が発生した責任がすべて加害者にある、過失割合10:0に該当するケースをご紹介します。

※過失割合は「基本過失割合」に「修正要素」を加味して決まります。決め方の詳細と、誰がどのように決めているのかは、次の記事で解説しています。

ケース1:信号機がある交差点の
直進同士の交通事故

信号無視が原因で生じた交通事故の場合、過失割合が10対0になる可能性があります。

青信号で直進する車に対して、赤信号の車が直進したことで事故が発生したときは、青信号で直進した車に非はないため、基本過失割合は10対0となります。

一方で、相手方が赤信号で交差点に直進してきたとしても、被害者の車が黄や赤で交差点に進入した場合には、過失割合が10対0にはならないので注意してください。

<交差点の直進車同士の事故>

信号の色 過失割合(A:B)
直進車A(赤):直進車B(青) 10:0
直進車A(赤):直進車B(黄) 8:2
直進車A(赤):直進車B(赤) 5:5

ケース2:信号機がある交差点の
右折車と直進車の交通事故

直進車同士の交通事故と同様、青信号で直進してきた車に、赤信号の右折車がぶつかった場合、基本過失割合は10対0となります

右折車と直進車の交通事故は基本的に右折車の方が過失割合は高くなりますが、双方が青信号のケースや、直進車が黄・赤の信号で交差点に侵入したときは、過失割合が10対0にはなりません。

<交差点の右折車と直進車の事故>

信号の色 過失割合(A:B)
右折車A(赤):直進車B(青) 10:0
右折車A(青):直進車B(青) 8:2
右折車A(黃):直進車B(青) 7:3
右折車A(黄):直進車B(黄) 4:6
右折車A(赤):直進車B(赤) 5:5

ケース3:センターオーバーに
よる交通事故

センターオーバーによる交通事故も、過失割合が10対0になる可能性がある事故です。
センターオーバーをしていない被害者側に著しい過失や、重過失などの修正要素がなければ、過失割合は10対0となります。
詳しくは次の記事で解説しています。

ケース4:追突事故

追突事故についても、過失割合が10対0になる可能性がある事故です。

追突事故は追突した車の前方不注意などが原因で発生することが多く、追突された被害者側が事故を回避するのは困難であるため、基本的に追突した側に非があります。
ただし、10対0と判断されるのは被害者の車が停止していた場合です。走行中に追突された場合は、被害者側にも過失が認められることが多いです。

被害者側が急ブレーキをしたなど、修正要素があるときは過失割合が変動することもありますが、特段の非がなければ過失割合は10対0となります。

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【怪我なし】10対0の物損事故で
受け取れる示談金の相場

交通事故で怪我をしなかった場合、その事故は「物損事故」として扱われます。過失割合が10対0であっても、受け取れるのは車や持ち物といった物的損害に対する賠償のみです。

物損事故で請求できる主な項目は次のとおりです。

  • 修理費(車を直すためにかかった費用)
  • 買替諸費用
    (修理不能な場合の登録手続関係費用など)
  • 代車費用(修理期間中に借りた車の費用)
  • 評価損
    (事故歴がついたことによる車の価値の下落)
  • レッカー代、保管料
  • 車内にあった携行品の損害
  • 休車損(営業車の場合、使えなかった
    期間の損害)

なお、これらの金額には「相場」といえる決まった金額がありません。実際にかかった費用や車の時価額をもとに個別に算定されるためです。「10対0だからいくらもらえる」という一律の目安はなく、損害を1つずつ積み上げて請求していくことになります。

物損事故では慰謝料・迷惑料は
原則として請求できない

怪我をしていない物損事故では、慰謝料は原則として請求できません。慰謝料は精神的な苦痛に対する賠償であり、物が壊れたことによる精神的苦痛は、修理費などの賠償によって回復されると考えられているためです。

「迷惑をかけられたのだから迷惑料を払ってほしい」と考える方もいらっしゃいますが、迷惑料という損害項目も法律上は存在せず、原則として認められません

ただし、事故のあとで痛みが出てきた場合は話が変わります。医師の診断書を警察に提出して人身事故に切り替えれば、治療費や入通院慰謝料を請求できる可能性があります。事故直後に自覚症状がなくても、必ず病院を受診してください。事故から時間が経過してから受診すると、事故と怪我との因果関係を疑われますので、症状が出たら、すぐに受診するようにしてください。

【怪我あり】10対0の人身事故で
受け取れる示談金の相場

過失割合10対0の交通事故の場合、被った損害をすべて補償してもらうことができますが、慰謝料については、算定する基準によって受け取れる額が変わってきます。

  • 自賠責保険基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準

自賠責保険基準は、自賠責保険から支払われる慰謝料を計算するための基準で、算定される額は3つの中で最も低いです。

任意保険基準は、保険会社ごとに設定している基準をいい、加害者が加入している保険会社によって提示される金額は変わってきます。

弁護士基準は、交通事故の慰謝料を計算する際に用いる基準で、「裁判基準」と呼ばれることもあります。

3種類の基準の中で最も受け取れる慰謝料が大きいのは、弁護士基準に基づいて算出した場合ですが、弁護士基準で慰謝料を算定するためには、判例などを調べなければなりません

ここで注意していただきたいのは、過失割合が10対0だからといって、自動的に弁護士基準で計算してもらえるわけではないということです。加害者側の保険会社が最初に提示してくる金額は、自賠責基準や任意保険基準で計算された低い金額であることが多くあります。
また、加害者側も判例や被害者側に過失があったとする証拠を提示してきますので、被害者のみで弁護士基準を基にした示談交渉をするのは難しいです。

これらを踏まえたうえで、ここからは入通院慰謝料後遺障害慰謝料の相場を詳しく解説します。

入通院慰謝料の相場

自賠責基準の慰謝料の相場は3種類の基準の中でも最も低く、入院に対する慰謝料については1日当たり4,300円です。

弁護士基準による入院慰謝料は、負傷した怪我の程度や入院期間によって異なり、軽度の怪我における入院慰謝料は、10万円から30万円が目安です。
一方、重度の怪我については、50万円から200万円を超えるケースもあるなど、怪我の程度や入院期間によって受け取れる額は変わります。

通院のみの場合の弁護士基準の目安は、むち打ちなど他覚症状のない怪我で通院1か月なら約19万円、通院3か月なら約53万円、通院6か月なら約89万円です。骨折などの重傷の場合はこれより高い算定表が使われます。

後遺障害慰謝料の相場

交通事故で後遺障害を負った場合には、後遺障害慰謝料を請求することができます。

後遺障害は、交通事故による傷害が治療を続けても改善せず、症状固定になったものをいい、後遺障害等級によって受け取れる後遺障害慰謝料の額は異なります。

自賠責基準は、後遺障害等級ごとに金額が定められており、最低額は第14級の75万円です。

介護を要する後遺障害については、第1級は4,000万円、第2級は3,000万円と、自賠責基準で算定する場合でも慰謝料は高額になります。

<自賠責基準の後遺障害慰謝料>

等級 金額
第1級 3,000万円
第2級 2,590万円
第3級 2,219万円
第4級 1,889万円
第5級 1,574万円
第6級 1,296万円
第7級 1,051万円
第8級 819万円
第9級 616万円
第10級 461万円
第11級 331万円
第12級 224万円
第13級 139万円
第14級 75万円

<介護を要する後遺障害に対する慰謝料>

等級 金額
第1級 4,000万円
第2級 3,000万円
参考記事:後遺障害等級表

弁護士基準の後遺障害慰謝料は、自賠責基準のように明確な金額は定められていませんが、自賠責基準の1.5倍から3倍が目安となります。

交通事故で後遺障害を負った場合、事故後の生活に支障が出ますので、生活を続けていくためにも、正当な慰謝料を受け取ることが大切です。

過失割合が10対0の交通事故で
注意すべきポイント

交通事故の非がすべて加害者にあったとしても、以下のような必要な対策や準備をしないと過失割合が10対0から動く可能性もあるので注意してください。

一つずつ詳しく解説します。

無症状でも病院を受診すること

これは、過失割合とは関係がないのですが、交通事故の被害者となった場合、無症状でも病院を受診してください

交通事故の怪我には、むち打ちなどの表面上で確認できない怪我もありますし、交通事故が起きてから数時間から数日後に症状が出ることもあります。

怪我の治療費も損害賠償の対象となりますが、病院に行かなければ怪我と交通事故との因果関係はわかりません。

交通事故が原因の怪我だったとしても、因果関係が確認できなければ怪我に対する損害賠償を受けられませんので、怪我の有無を確認するためにも必ず病院に行ってください。

怪我が完治・症状固定になる
まで通院を継続する

怪我の治療費は加害者に請求できますので、完治するまで通院してください。

後遺障害等級認定を受けるためには、後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。

症状固定は、交通事故による怪我が治療を受け続けても改善する見込みがない状態をいい、通院を継続していないと医師が症状固定の判断をできません。

そのため、交通事故による怪我が完治または症状固定の判断が下されるまでの間は、病院で治療・経過観察を受けてください。

被害者が加入する保険は
適用できない

過失割合10:0のケースでは、被害者に事故が発生した責任がないため、被害者が加入する保険会社に示談交渉を依頼することはできません

これは弁護士法により、保険会社が被害者の立場で加害者側の保険会社と交渉することが禁止されているためです。つまり、被害者は加害者側の保険会社と一人で直接交渉しなければなりません。
ただし、加入している保険に弁護士特約を付けている場合には、特約を活用して弁護士に依頼することは可能です。

弁護士特約は、弁護士に損害賠償請求を依頼する際に生じる費用を補償する特約で、加害者に全面的な非がある事故だけでなく、被害者に事故原因がある場合でも適用できます。

被害者が示談交渉する選択肢もありますが、交通事故の損害額や算定方法について揉めることが想定されますので、過失割合が10対0であっても、弁護士に示談交渉の代理を依頼することが望ましいです。

10対0の示談金はいつ受け取れる?
時間がかかりやすい理由

示談金を受け取れるのは、高額でなければ示談が成立してから2週間程度経過してからが多いです。ただし、示談そのものが成立するまでには時間がかかります。
怪我をしている場合は、治療が終わって(完治または症状固定)から示談交渉が始まります。後遺障害等級の認定を受ける場合は、その結果が出てからになるため、事故から1年以上かかることも珍しくありません。

よくある質問

Q. 10対0の事故で怪我がない
場合、いくらもらえますか?

A. 受け取れるのは物的損害の賠償のみで、修理費・代車費用・評価損・レッカー代などの実費が中心です。一律の相場はなく、実際にかかった費用や車の時価額をもとに算定されます。怪我がない場合、慰謝料は原則として請求できません。

Q. 10対0の物損事故で
迷惑料はもらえますか?

A. 迷惑料という損害項目は法律上存在せず、原則として請求できません。加害者側が任意で支払いを申し出た場合に受け取ることは可能ですが、裁判では認められません。

Q. 停車中に追突された場合、
過失割合は必ず10対0に
なりますか?

A. 原則として10対0になります。赤信号での停車中や渋滞での停車中など、被害者が事故を避けようがない状況での追突は、加害者の過失が100%と判断されるケースがほとんどです。ただし駐停車禁止場所に停めていた場合などは、被害者側にも過失が認められることがあります。

Q. 10対0だと自分の保険会社は
何もしてくれないのですか?

A. 示談交渉の代行はできません。被害者に賠償責任がないため、保険会社が被害者の代理人として交渉することが法律で禁じられているためです。ただし弁護士費用特約が付いていれば、その特約を使って弁護士に依頼できます。

Q. 怪我をしたのに物損事故の
まま処理されています。
どうすればよいですか?

A. 医師の診断書を警察に提出し、人身事故へ切り替える手続きをしてください。物損事故のままだと治療費や慰謝料の請求が難しくなります。

Q. 保険会社が提示した
示談金が妥当かどうか、
どう判断すればよいですか?

A. 提示額が自賠責基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準の3つの算定基準のどれで計算されているかを確認してください。自賠責基準や任意保険基準で計算されている場合、弁護士基準で計算し直すと金額が上がる可能性があります。判断が難しい場合は、示談書にサインする前に弁護士へご相談ください。

まとめ

過失割合は交通事故の状況や当事者の属性によって変動しますので、被害者も自身の正当性を主張しなければなりません。

過失割合が10対0の事故でも、加害者が全面的に責任を認めるとは限りませんし、加害者が加入する保険会社が保険金の支払いを抑えるために、被害者にも過失があったと主張してくることも考えられます。
また、10対0であっても、提示された示談金がそのまま適正な金額とは限りません。怪我がなければ物的損害の積み上げが漏れていないか、怪我があれば慰謝料がどの基準で計算されているかを確認することが大切です。

交通事故による損害額を正確に算出しないと、納得できる補償は受けられませんので、交通事故の示談交渉については専門家である弁護士に一任することを推奨します

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監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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