【注目】交通事故の示談金の相場額と増額できる方法

最終更新日 2019年 12月04日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

この記事を読むと、次のことがわかります

交通事故の示談交渉は、どのように進めていくのか、何をするべきなのか、ご存じでしょうか?

示談については、保険会社が提示してくる示談金は適正金額ではありません。

つまり、保険会社の提示額は本来であれば被害者の方が受け取るべき金額より低い、という事実を知ることから示談交渉は始まります。

その後、示談金を増額していくわけですが、一体どのように増額するのでしょうか?

具体的には、この記事を読むことで次のことがわかります。

  • 交通事故における示談交渉の意味と重要性
  • 示談が成立するまでの全体の流れ
  • 交通事故の示談交渉における注意ポイント
  • 保険会社が適正な保険金額を提示しない理由
  • 弁護士が示談交渉に入ると保険金が増額する理由
  • 弁護士に相談・依頼するメリット
  • 頼れる弁護士の正しい探し方

ぜひ、最後まで読んでください。

 

【参考動画】
交通事故の示談について動画で確認したい方は、こちら

 

これから、交通事故の示談交渉について解説していきますが、その前に、交通事故解決までの全プロセスを解説した無料小冊子をダウンロードしておきましょう

みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例を紹介

まずは、私たちが依頼を受けて実際に解決した、驚くような交通事故の示談の事例をご紹介します。

「後遺障害等級1級1号に認定された46歳男性が約2億円の増額を獲得」

交通事故の被害により、46歳男性が頸髄損傷の傷害を負った事例です。

治療をしましたが、残念ながら四肢麻痺の後遺症を残して症状固定。

自賠責後遺障害等級認定の申請をしたところ、1級1号が認定されました。

加害者側の保険会社は、被害者男性に対して示談金として、7800万円を提示しましたが、ご親族がこの金額で示談するべきかどうか判断がつかなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。

弁護士の見解は、「提示金額が低すぎる。大幅な増額が可能」というものだったため、ご親族は弁護士に委任して裁判を行なうことにしました。

裁判では在宅介護費などで争いになりましたが、最終的には弁護士の主張が認められ、約2億7640万円で解決したものです。

当初提示額から約3.5倍、2億円近くも増額したことになります。

 

このように、弁護士に依頼することで示談金が大幅に増額するケースは多いです。はじめから弁護士に依頼してしまうのも良いと思います。


被害者の方とご親族が何の知識もなければ、当初の示談金額で示談していたでしょう。

しかし、みらい総合法律事務所に依頼されたことで、適正な賠償額を獲得することができたのです。

交通事故の示談交渉の現場では、実際にこうしたことが起こるのです。

やはり、示談する際には、その示談金額が正しいものかどうか必ず確認すること、示談交渉の知識が必要だということ、そして弁護士に依頼することが大切だということがおわかりいただけるのではないでしょうか。

交通事故における示談交渉とは?

示談の基本は話し合いによる和解である

まずは、交通事故における示談交渉の法的な意味合いについて説明をしておきます。

交通事故における示談というのは、その事故によって生じた損害額がいくらで、どのように支払いをするのか等について、加害者と被害者という当事者の話し合いによって決めることをいいます。

法律的にいうと、示談は民法上の「和解」にあたり、次のように規定されています。

「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。」(民法第695条)

【出典】民法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089

「互いに譲歩をして」というのは、たとえば、被害者側の請求金額が1000万円で、加害者側が認めた金額が500万円だという場合、お互いに譲歩して、800万円で解決しましょう、というようにすることです。

もちろん、被害者側が適正な金額を請求して、加害者側がその全額を支払うことを認めれば、譲歩の必要はなく、その金額で示談解決する、ということになります。

しかし実際には、交通事故の示談はそんなにすんなりとうまくいくものではありません。

被害者側と加害者側が主張する金額に大きな差があり、どちらも譲らない場合には、示談交渉が決裂したり、裁判になったりすることもあります。

そして、一番避けたいのは、被害者側が損をしていることに気がつかずに示談を成立させてしまったという事態です。

たとえば、被害者側が損害賠償額として1000万円を請求できるはずであるのに、500万円で示談を成立させてしまったというような場合です。

交通事故でケガをして精神的にも肉体的にも傷ついているのに、受け取るはずの示談金で何百万円、何千万円も損をしてしまう、などということは誰でも避けたいと思うでしょう。

ところが、実際の交通事故の示談の場面では、このようなことはよく起きているのです。

それは一体なぜでしょうか?

保険会社が適正金額を提示しない本当の理由

交通事故の示談の場合、じつは加害者本人と示談交渉するということは少なく、通常は加害者が加入している保険会社の担当者と交渉を行なうことが多いと思います。

この場合、被害者の方が注意しなければならない点が2つあります。

(1)保険会社は利益を追求する営利法人

まず当然ですが、保険会社はビジネスとして利益を得ることを目的としている営利法人であることを理解しておくべきです。

保険会社は、必ず利益を出さなければなりません。

そのためには、支出を収入よりも少なくする必要があり、組織の論理として、できる限り支出を減らそうとするのです。

そこで、保険会社にとって大きな支出である「示談金の支払い」を減らそうと努力する、ということになります。

ですから、保険会社としては被害者に支払う金額が少ない方が会社の利益となるため、できるだけ損害賠償額を低くしたいと考えています。

(2)保険会社の担当者は損害保険のプロ

次に、保険会社の担当者は示談交渉を日常的に仕事として行なっているので、交通事故に関する知識もあり、示談交渉にも慣れているという点です。

それに対し、被害者の方やご家族は交通事故や保険に関する知識がないことが通常でしょうから、そもそも自分が請求できる損害賠償額がいくらになるのか、保険会社側が支払うといっている示談金額が妥当な金額であるのかどうか、などの判断ができないのは当然だと思います。

そのため、保険会社が「今回の交通事故の損害賠償金額は○○円です」と提示してきた場合に、「保険会社が妥当な示談金額だというのだから、そうなのだろう…」と考え、自分たちが損をしていることに気づかないまま、示談書にサインしてしまうということが起きているのです。

また、保険会社の担当者が、「この金額が限界です。これ以上は出せません」とか「弁護士を頼んでも金額は変わりませんよ」などと言うことがあります。

これは、本当でしょうか? 

じつは、ここにはカラクリがあるのです。

保険会社が「この金額が限界です」というのは、「私の権限で出せるのは、この金額が限界です」という意味です。

現実的に、弁護士に依頼したり裁判したりすれば、かなり増額することが多いのです。

また、「弁護士を頼んでも金額は変わりませんよ」というのは、「弁護士を頼まないでください。増額しないといけなくなります」という意味合いで使っていることもあるかもしれません。

保険会社の担当者は、被害者のために働いているのではなく、保険会社の利益のために働いている、と認識することが大切です。

そして、保険会社のいいなりに示談しないことが大切なのです。

では、そのために大切なことは、どのようなことでしょうか?

交通事故発生から示談成立までの流れを理解しましょう!

一般的に、交通事故が起きてから示談が成立するまでには次のような各手続きがあり、進行していきます。

示談交渉をスムーズに、しかも被害者の方が納得いくように解決するためには、まず全体の流れを理解することが大切です。

「交通事故問題を解決するための12のプロセス」

①交通事故が発生
 ↓
②事故状況や相手(加害者)の身元の確認
 ↓
③警察へ通報、実況見分調書などの作成に協力
 ↓
④加害者、被害者双方の保険会社へ通知
 ↓
⑤ケガの治療(入院・通院)
 ↓
⑥症状固定の診断により治療完了
 ↓
⑦後遺障害等級の認定(不満があれば異議申立)
 ↓
⑧賠償損害額確定(加害者側の保険会社から提示)
 ↓
⑨示談交渉
 ↓
⑩示談成立で慰謝料の受け取り
 ↓
⑪示談が決裂した時は紛争処理機関や法的機関へ
 ↓
⑫弁護士に依頼し裁判での決着へ

 

慰謝料と示談金、保険金、損害賠償金の違いとは?

示談が成立した後、被害者の方には加害者側の保険会社からお金が支払われます。

ところで、このお金、「保険金」や「示談金」、「慰謝料」、「損害賠償金」などとさまざまな呼ばれ方をすることがありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

それぞれが被害者の損失を填補しようとするものですが、次のように法的意味合いが異なるので呼び方が変わるのです。

・保険会社から保険契約に基づいて支払われるから保険金
・示談が成立して支払われるから示談金
・被害者の損害を賠償するから損害賠償金

そして、慰謝料というのは、これらの中の一部という位置づけです。

たとえば、交通事故の被害者が受け取ることができるお金には、治療費、通院交通費、休業損害、逸失利益などさまざまな項目があり、これらの中に慰謝料があるのです。

つまり、損害賠償金とは、ひとつのまとまったものではなく、いくつもの損害項目が合算されたもの、ということになります。

ちなみに、交通事故の慰謝料には、「傷害慰謝料」、「後遺症慰謝料」、「死亡による慰謝料」の3種類あります。

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傷害慰謝料は、ケガをしたことに対する肉体的苦痛や、入通院加療を余儀なくされることなどに対する煩わしさや精神的苦痛を緩和するために支払われるものです。

後遺症慰謝料は、治療が完了しても後遺症が残ってしまった場合、今後生きていくうえでの精神的損害を償うものです。

死亡慰謝料は、被害者が死亡したことにより被った精神的損害に対して支払われるもので、被害者が置かれている状況によって、慰謝料の金額が異なってきます。

これらのポイントを理解しておくと、示談交渉をスムーズに進めることができると思います。

ところで、じつは交通事故の被害者の方は、いきなり示談交渉に入ってはいけません。

示談交渉の前にも注意するべきポイントがいくつかあるので、次に解説していきます。

示談交渉の開始時期に関して注意するべきポイント

交通事故で被害者の方がケガをした場合、示談の話が出てくるのは、治療が終了した時点です。

治療をしたけれども症状固定の診断を受けて後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級が認定されてから示談交渉になります。

被害者の方が死亡してしまった場合には、四十九日が明けたあたりから、保険会社の担当者からご遺族に連絡がくるのが一般的です。

なお、死亡事故の場合には、加害者の刑事裁判が行なわれることが考えられます。

この場合、刑事裁判の終了前にご遺族との間で示談が成立していると、量刑の判断で示談が成立していることが加味され、量刑が軽くなることもあります。

その点を考慮し、ご遺族としては刑事裁判が終了してから示談交渉を開始するという場合もあります。

また、ご遺族が刑事裁判に参加できる、「被害者参加制度」もありますので、弁護士に相談することをおすすめします。

示談を行なう前に注意するべきポイント

治療中の注意点

ケガをした場合に一番大切なことは、まずはきちんと治療をするということです。

きちんと治療を行なっていたのかという点も、損害賠償金額を計算する上での基準となります。

たとえば、痛みがあるのに仕事があるからと我慢して通院しなかった場合、通院しなかったのだから症状が軽いのだろうと推定されてしまう可能性があります。

また、通院や入院に対する慰謝料は、通院期間や入院期間をもとに計算されますので、入通院期間が長いほど慰謝料額が大きくなります。

治療中は、保険会社と連絡をとり、ケガの程度や診断内容、治療の見込みなどを伝えて、治療費や交通費等をスムーズに支払ってもらうことも大切です。

仕事を休んで治療する場合には、休業損害も支払ってもらえるように伝えましょう。

中には、治療中から保険会社の担当者と衝突してしまう被害者の方もいらっしゃいますが、この時点で保険会社ともめたとしても、治療費の支払いを打ち切られたりすることもあり、正直あまりいいことはありません。

本格的な示談交渉は、治療が終了してからで大丈夫ですので、この時点では治療に集中して、治療費を支払ってもらうことを第一としたほうがいいでしょう。

治療費の支払いの打ち切りに応じてはいけない

治療を開始して、ある程度の期間が経つと、保険会社から「そろそろ症状固定として後遺障害等級の申請をしてください」などと言われ、治療費の支払いを打ち切られてしまう場合があります。

症状固定とは、これ以上の治療を継続しても治療効果が上がらなくなった状態のことをいいます。

通常、保険会社が治療費の支払をする場合には、被害者から医療照会の同意書を得て、病院から診断書や診療報酬明細書を取り付けているのですが、その内容等から、治癒あるいは症状固定と考えて、治療費の支払いを打ち切るという判断をしているのです。

保険会社から治療費の打ち切りの話をされると、「もう治療をしてはいけないのだ」と思ってしまう被害者の方もいらっしゃいますが、そうではありません。

あくまで保険会社が勝手に決めていることですので、本当に症状固定とするかどうかの判断は、医師とよく話し合って慎重に行なわなければなりません。

なぜなら、症状固定とした場合、そこで治療は終了とみなされ、症状固定の時点で損害賠償額が確定すると考えるからです。

注意しなければいけないのは、仮に症状固定と判断されても、それ以降もやはり治療をしたいということで治療を行なったとしても、症状固定以降の治療費や通院交通費、入通院慰謝料は加害者に請求できなくなってしまうことです。

医師と話をして、まだ治療の必要性があり治療効果も出ているということであれば、治療を続けるべきです。

その場合には、医師に治療の必要性がある旨の診断書等を作成してもらって保険会社に提出し、治療費の支払を継続してもらえるよう交渉します。

それでも打ち切られてしまった場合には、健康保険に切り替えたりして自分で治療費を負担し、後日、最終的な示談交渉の際に自分で負担した治療費分も請求するということになります。

後遺症が残った場合に注意すべきこと

医師とよく話し合った結果、症状固定とした場合には、医師に後遺障害診断書を書いてもらい、損害保険料率算出機構という機関に後遺障害等級の申請をします。

後遺障害等級は、症状の部位や程度に応じて、重いものから順に1級から14級に分類されています。

この後遺障害等級が何級になるのかというのはとても重要なポイントになります。

【参考記事】国土交通省「後遺障害等級表」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment_pop.html

認定された後遺障害等級に応じて、後遺症慰謝料や後遺症逸失利益が計算されることになり、示談金額にも大きな差が出るからです。

 

ここで注意する点は、自分が認定された後遺障害等級が適正なものなのかをきちんと検討することです。

後遺障害等級の判断は、損害保険料率算出機構が、診断書や画像、検査結果などの医学的な資料をもとに判断しているのですが、原則として提出された医学的な書類のみから判断します。

損害保険料率算出機構の調査については、同機構のホームページに図解入りで説明がされていますので、あわせて参考にしてください。

【参考記事】損害保険料率算出機構ホームページ
https://www.giroj.or.jp/cali_survey/survey_system.html

そのため、提出資料に不足があったり、認定に必要な検査を行なっていなかったような場合には、実際の症状より軽い後遺障害等級が認定されてしまうということもあるのです。

そうすると、後遺障害等級がひとつ違っただけで、最終的な示談金が何十万円から何百万円、重度なものになると何千万円も変わってくることもあります。

ですので、後遺障害等級が認定されたら、認定結果や認定の理由等をよく読んで、認定された後遺障害等級が適正なものかどうかを検討してください。

適正な後遺障害等級であることを確認するまでは、示談してはいけないのです。

 

ただ、「適正な後遺障害等級が認定されているか?」ということは、交通事故問題の素人では判断はほぼ難しいでしょう。

医学的知識や後遺障害等級認定のメカニズムの知識も必要なので、交通事故に精通していない弁護士でも判断は難しいと思います。

ここは、どうしても、交通事故の知識と実務経験が豊富な、交通事故に強い弁護士に判断してもらうようにしましょう。

 

そして、より上位の後遺障害等級が認定される可能性がある場合には、新たな資料等を提出して「異議申立」などを行なうことになります。

 

ここまで手続きなどが進むと、いよいよ次は示談交渉です。

示談交渉の際に注意するべきポイントはどのようなことなのか、次に見ていきます。

後遺障害等級が正しいかどうかについては、法律的知識、後遺障害等級認定システムに関する知識、医学的知識が必要です。交通事故に精通した弁護士に相談するようにしましょう


示談交渉の際に注意するべきポイント

損害賠償金額の項目に漏れがないか確認する

交通事故の傷害(ケガ)の場合は、治癒した時点、または後遺障害等級が認定された時点、死亡事故の場合には被害者の方の四十九日が過ぎたあたりから、いよいよ示談交渉がスタートします。

具体的には、加害者の保険会社の担当者から、保険会社で作成した損害賠償金額の計算書が提示されますので、そこで提示された金額を被害者側で検討することになります。

まず、損害賠償額の項目に漏れがないのかをチェックします。

ひとくちに損害賠償額といっても、それはさまざま項目から成り立っています。

「損害賠償金の主な項目」
治療費、付添費、将来介護費、入院雑費、通院交通費、装具・器具等購入費、家屋・自動車等改造費、葬儀関係費、休業損害、傷害慰謝料、後遺症慰謝料、逸失利益、修理費、買替差額、代車使用料 など。

それぞれの事故内容によって、さまざまな項目を請求することができるので、ご自分が請求できる項目がすべて記載されているかどうか、きちんとチェックしましょう。

正しい金額かどうか確認する

項目に漏れがないかを確認したら、次にそれぞれの金額が妥当かどうか検討します。

冒頭でも述べたように、保険会社はなるべく支払う金額を低くしようとする傾向にありますので、保険会社から提示された金額をそのまま妥当な金額と信じて安易に示談書にサインをしてはいけません。

示談が成立してしまうと、その後に「もっと請求できるものがあった」とわかったとしても、原則として請求することはできなくなってしまいます。

ここで大切なことは、保険会社からの提示金額が妥当な金額かどうかを判断するときのポイントとしては、3つの支払基準があることを知っておくことです。

3つの基準とは、「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士(裁判)基準」です。

自賠責保険基準とは、自賠責保険に基づいて支払われる保険金です。

自賠責保険は、自動車を運転する者は必ず加入しなければならない強制保険で、支払われる金額が法律で決められていることからも、必要最低限の保険といえます。

たとえば、内容については、
・休業損害は1日につき原則5700円
・慰謝料は1日につき原則4200円
・死亡慰謝料は350万円
・後遺障害等級1級は3000万円又は4000万円
・14級は75万円

などとなっています。

 

任意保険基準とは、任意保険会社ごとにある会社の内部の基準で、公表されているものではありません。

加害者が加入している任意保険会社が提示してくる金額は、この任意保険基準に基づいています。

自賠責保険基準よりもやや高い金額である場合もありますが、自賠責保険基準とまったく同額の後遺症慰謝料を提示してくる場合も多いです。

なぜなら、自賠責保険金額内でおさまれば、任意保険会社の実質的な負担が0円になるためです。

弁護士(裁判)基準とは、裁判をした場合に認められる可能性のある金額で、もっとも高額になります。

弁護士(裁判)基準がいくらかを調べる場合には、日弁連交通事故相談センター東京支部が毎年出している『民事交通事故訴訟 損害賠償額計算基準』(表紙が赤色のため、通称を「赤い本」といいます)という書籍を参考にします。

私たち弁護士も、この赤い本を参考にしています。

被害者の方としては、この弁護士(裁判)基準に近い金額で示談をすることがもっとも望ましいのですが、実際には示談交渉の段階で弁護士(裁判)基準に基づいて請求しても、保険会社が応じないことが多いようです。

なぜなら、被害者の方が裁判を起こさないのであれば弁護士費用等のコストがかかりませんので、保険会社側としても裁判基準で示談に応じるメリットがないからです。

賠償金額に納得がいかなければ何度でも不服を伝えるべきですし、裁判基準での解決を目指すのであれば、やはり弁護士に交渉や裁判を依頼したほうがいいといえます。

損害賠償請求の時効に気をつけてください!

加害者に対する損害賠償請求権には「時効」があります。

一度、時効が成立してしまうと、その後は一切請求することができなくなってしまいますので、時効の管理はしっかりしなければなりません。

加害者等に対する損害賠償請求の時効は、「損害及び加害者を知りたる時」から3年です。

または、事故から20年経過した場合も時効により損害賠償請求権は消滅します。

死亡事故の場合は、原則として事故日から3年です。

後遺障害がある場合には、症状固定によって損害が確定しますので、症状固定日から3年です。

ただし、民法改正により、2020年4月1日以降は、損害賠償請求権のうち、人身損害については、3年ではなく、5年になります。

異議申立を何度も行なっていたり、交渉がうまくいかず放置したままで3年が経過してしまった場合には、時効によって請求権が消滅してしまいますので、くれぐれも注意してください。

【参考記事】法務省 「民法(債権関係)の改正に関する説明資料」
http://www.moj.go.jp/content/001259612.pdf

示談書の書き方を知っておく

被害者と加害者による話し合いの結果、和解に至った場合は示談成立となります。

この場合、「示談書」を取り交わす必要がありますが、内容は次のようことを記載します。

①当事者の特定
誰と誰が交通事故の当事者なのかを特定します。

②交通事故の特定

交通事故の年月日時刻、場所などにより特定します。

③人損と物損の別(自賠責後遺障害等級)

④示談金額

⑤支払条件
いつ、どのような方法で支払うのかを記載します。

⑥精算条項
示談が成立したことで、示談内容以外の請求はすべて放棄し、被害者と加害者双方に債権債務がないことを確認します。

ただし、通勤労災の場合には、すべてを免責してしまうと将来の労災給付も打ち切られますので、将来の労災給付は除外しておく必要があります。

⑦将来の後遺障害
将来、後遺障害が発生する可能性がある場合は、その分を留保します。

その場合は、「本件示談後、後遺障害が発生した場合には、当該後遺障害に基づく損害賠償については別途協議する。」というような記載をしておきます。

示談が成立すると、よほどの事情がない限り、後から示談書に記載された条件以上の請求をしようとしても難しくなりますので、慎重に進めなければいけません。

示談書の内容を確認する

ここでは、示談書のサンプルを掲載します。

状況によっては、各項目や細部は異なってきます。

また、保険会社が相手の場合は「免責証書」という書面が示談書の代わりになることもありますが、どのような内容が記載されるのか参考にしてください。

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示談書
東宮英彦(以下「甲」とする。)と、正田真樹(以下「乙」とする。)は、下記の事故(以下「本件事故」とする。)による甲の乙に対する損害賠償請求について次のとおり示談する。

(事故の表示)
日時  令和〇〇年〇〇月〇〇日 午後1時00分
場所  東京都千代田区〇〇町〇〇番地先路上

(示談の内容)
1 乙は、甲に対し、甲の傷害に関して発生した治療費、休業損害、慰謝料、後遺障害(自賠責後遺障害等級●級)その他一切の損害賠償として、既払金のほかに金〇〇〇〇万円の支払い義務があることを認め、これを令和〇〇年〇〇月〇〇日限り甲の指定する下記口座宛振込支払う(振込手数料は乙の負担とする)。
 <口座>
  〇〇銀行 〇〇支店
  普通預金 〇〇〇〇〇〇〇
  東宮英彦
2 本件事故による甲の傷害に関する損害賠償は後遺障害分を含め(但し、後遺障害等級12級)、一切解決済みとして、甲は、乙に対し、本示談書に規定する他、何らの請求もしないこととする。ただし、本件示談の際に予想しえない後遺障害が発生した場合には、当該後遺障害に基づく損害賠償については別途協議する。
以上
令和〇〇年〇〇月〇〇日
甲 住所
  氏名              印
乙 住所
  氏名              印

示談交渉が決裂したら裁判を検討するべき

示談交渉の中で、加害者側の保険会社の担当者は、こんなことを言ってくるかもしれません。

「当社としては、提示しているものが精一杯の金額です」
「これ以上を望むなら、裁判をやってください」

こうなると、交渉を続けても現状の金額以上の増額は難しい、ということになります。

仮に、示談金のさらなる増額を希望するのであれば、弁護士に依頼して示談交渉してもらうか、訴訟を提起して裁判に持ち込むか、ということを検討するべきでしょう。

裁判というと、「大変なことだ」と思っている人もいるかもしれませんが、裁判所には弁護士が行ってくれますし、裁判所に提出する書面も弁護士が作成します。

被害者の方にとっては、それほど大変な作業はないのが通常です。

また、裁判を起こすと、判決までいくときには、事故日から年5%の遅延損害金が追加で払われることになりますし、示談交渉では認められない弁護士費用相当額が加害者負担となります。

裁判にはメリットも多くあるのです。

裁判となると、さすがに被害者本人が行うのは難しいと思います。裁判の可能性が出てきた時には、必ず弁護士に相談するようにしましょう。


交通事故の示談交渉は弁護士に相談・依頼するべき

以上、示談の基本的な知識から示談を有利にする方法、注意ポイントまで解説しました。

多くの場合、加害者は任意保険に加入していますので、示談交渉の相手方は、保険会社の担当者ということになります。

これは、任意保険に「示談代行サービス」がついているためです。

【参考記事】一般社団法人損害保険協会ホームページ
http://www.sonpo.or.jp/insurance/commentary/car/compensation/baishou.html

実際の交通事故では、事故態様や被害者のケガの程度、後遺症の程度、後遺障害等級、年齢、職業、収入等、それぞれの事案によって、示談金の相場や計算方法が変わってきますので、適正な損害賠償額を計算して、それを保険会社と示談交渉して認めさせるというのは、かなりハードルが高いことである、ということがおわかりいただけたかと思います。

保険会社の立場に立って考えてみましょう。

保険会社が株式会社であるならば、会社の利益を上げることが最大の存在目的となります。

利益は、売上から支払などの経費を差し引いて計算します。

そのため、保険会社は交通事故の被害者に対して支払う示談金を低くおさえようとします。

裁判を起こされれば、弁護士(裁判)基準によって、適正な示談金額を払わないといけなくなりますが、示談交渉であれば、「これが限界です」と言い続けていれば、それ以上払うことにはならないわけです。

そのため、交通事故の被害者が直接示談交渉してもなかなか増額できないのです。

しかし、被害者の代理人として弁護士が出てきた場合には、示談金を適正な額にしないと、裁判を起こされ、自分たちの代理人となる弁護士費用が余分にかかるほか、裁判後に適正額を払わないといけなくなるので、被害者側の弁護士との示談交渉では、やむなく増額して示談するということになるのです。

したがって、被害者の方が「弁護士費用がもったいない」と思って、弁護士に相談すらしないというのは合理的な選択ではありません。

実際、弁護士に依頼しないほうがもったいない、という事例が多数あるのです。

ですから、示談の前に少なくとも一度は弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

本当に任せられるのは交通事故に強い弁護士だけ

ただし、弁護士ならば誰でもいいというわけではありません。

弁護士には、得意不得意な分野があります。

すべての法律に精通するのは不可能です。

交通事故の示談交渉を相談するなら、やはり、実務経験が豊富な交通事故に強い弁護士に相談することが大切です。

弁護士でも、交通事故に慣れていないと、請求する損害賠償の項目に漏れがあったり、計算方法が間違っていたり、後遺障害等級が正しいかどうかなどの判断ができないということがあるからです。

それでは、適正な示談金額で示談することはできません。

法律事務所のホームページ等を見て、交通事故の実績があるか、交通事故の専門書籍等を出版しているかなどをチェックしてみてください。

 

たとえば、私たちのみらい総合法律事務所では、次のような法律の専門家が読む専門書籍を執筆しています。

「交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務」(ぎょうせい)
「交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)
「交通事故訴訟における典型後遺障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)

このような専門書を執筆するためには、交通事故に関して深い法律知識が必要とされます。

弁護士のホームページを見るときは、このような観点でも見てみるとよいでしょう。

もちろん、当事務所でも死亡事故と後遺症事案に関して、いつでも無料相談を受け付けていますので、交通事故の示談でお困りの際は、ぜひご相談ください。

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